宇宙に夢を求めて

【日記】


「人間には夢が必要です」



本日の朝日新聞朝刊、別刷「フロント・ランナー」に、2ページに亘ってアニリール・セルカン氏のことが…。
彼については、去年の7月24日のこのブログに書いた。


今日の新聞を読んでも同じようなトーンに聞こえるが、何とか視野の透明度を上げるか、視点の位置を上げたい自分自身の現在、セルカン氏の「宇宙エレベーター」のような発想は新鮮だ。


その後、彼が進めてきた「『21世紀の三種の神器』と呼ぶ水・食糧・エネルギーを、住宅や地域の中で循環・再生産する仕組みができれば、環境問題の解の一つにもなる」という、「自然災害などで破壊される恐れのあるインフラに依存しない居住モデルの提案」(朝日新聞・後藤絵里氏記事)は、科学技術によるデータ分析と実験によるのだろうから、デザイナーが中心になってやれることでは無さそうだけれど、「日本では高齢化が進んでインフラが劣化した地方に応用」できるし、なにしろオプティミスティックな夢がある。


事実、彼は「人間には夢が必要です」という。
「高い目標をどう実現させるかを考えるのが人間のインテリジェンスであり、存在理由だとさえ思う」と。
だが、「それほどの夢は宇宙にしかない」と言う時、やはりグローバリストであり、サイエンティストだなぁ、と思わずにいられない。禅的な「無」を口するが、その「無」は文系人間の「無」とはだいぶ違うのではないか。


それでも、「上の次元からものを見て、いろんな分野の面白い発想を組み合わせて新しいものつくるのが僕の手法」という考え方は、明らかに「僕もそうしたい手法」だ。


それにしても、「その自由がある日本の環境が気に入っている」とはうらやましい。科学と技術開発優先の視点から見れば、それに東大でやれるとなれば、日本は天国なのだろう。