バックドア

バックドア」とは、車載用半導体チップによるソースコードのことらしい(別呼称「スリーパー」)。これで車を外部からコントロールすることが出来るようになるらしい。
ちょっと考えても怖ろしい。
例えばこれで外部から車を動かなくしたり、走行操作ができてしまう。
このチップの中国製について米国政府が関心を寄せているとの報道(日経新聞本日付:Deep Insight中山淳史氏)がある。
同記事のデータによって判る恐ろしさは、自動運転車のソースコードは書き込み行数で言うと、フェイスブックの5〜6倍もあるということだ。
ソースコードとは「こういう状況ではこう反応せよ」などと指示する指示データで、一種の書き込みであるから単位は「行数」というらしいが、同記事が集めた比較では、あのボーイング787 やグーグル・クロームが1800万行、フェイスブックが6200万行に対しレベル4の自動運転車は3億行だろうとする。
これで想定が付くが自動運転車に関するソフト・データの扱いは国家の命運まで左右しかねない。
自国のデータは厳重に管理し、外国からのサービスの売り込みにはソフトの開示を要求し、外国のデータにはどんどん侵入していく中国のやり方に、アメリカが大きな危機感を持っているのは当然だろう。
車を売ることはもはやモノの販売ではなくなっている。
まじかに迫るデジタルAI時代の恐ろしさである。


NPO日本デザイン協会の昨秋のトークイベントで、「AI時代、デザインに何が可能か」を行い(*)、やっと読める編集物になるところだが、この「バックドア」問題などは職能の域を越えている。ただこういう国家管理問題と並行して、個人の価値や能力を擁護することが一段と望まれるようになるための忠告としては有益なはずだ。


* 当ブログ 昨年11月4日:「イベントのご案内」
  同じく11月24日:「AIトーク・イベントに何から始める?」
   本年2月18日「AIトークまとめに時間を取られ」
トーク記録の要旨は近日中にこのブログにも転載します。





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