出掛けることで忙しい日々

●〜●間、補記あり(11/24 17:30、19:30)


空間が時間をコントロールできる?―――建築家・内藤廣さんへの質問に関して



このところ、勝手に忙しい。 仕事=創造行為でならうれしいが、人に会ったり、見たり、聞いたりするために忙しいのだ。


20日(火)に、「知的生産者の公共調達に関わる法整備――会計法地方自治法の改正――という難しいタイトルのシンポジウムがあった。主催者の仙田満さん(東京工大名誉教授)からわざわざ案内状を頂き、他の予定をキャンセルして聞きに行き、最後まで食事に付き合った。一部国会議員や一般社団法人・公益社団法人の理事長等関係者多数が応援演説をし、だいぶ時間をオーバーしたが、共感するものが多かった。
●「知的生産者」とは、ここでは建築家のみならずデザイナーやアーチストなども含み、自分の考えと合っている。 「公共調達」とは、国や地方公共機関が発注する場合、ということであり、まずこちらから襟を正してもらうという意味で、これも納得できる。
そういえば後ろの席に神田順先生も、案の定いらして、声を掛けられた。●このシンポジウムの内容は又、後で取り上げる必要がある。


21日(水)には、そろそろ終わる「アルヴァ・アアルト」展(神奈川県立近代美術館・葉山)にやっと駆け付けた。実はこの美術館は訪ねたことがなく、こういう機会にぜひと思っていたが、何度も予定をキャンセルすることになった経過がある。素直なモダニズム建築で好感を持てた (設計:佐藤総合計画)。とてもいいプランニングで、遅れてテラスのランチを食べ終わったら、ちょうど4時20分頃。ここから見る、沈みゆく夕日がとても美しかった。
アアルトのことは知っているようで、そんなに深くなく、この機会を得て、何か自分に繋がるものがありそうとの思いを深めた。しかし、家具の実物や写真、建築図面を見ていただけではわからないものがある。これで判らなければおかしいという考えもあるだろうが、作品主義とまで言えない設計観、人生観を持っていれば、当然、そばにいた人、付き添っていた評論家、後からの追跡者などの想いや評論を知ってみなければならない。チャールス・イームズやシャルロット・ペリアンなどを知るにもこのような観点が必要だろう。これも後からの追記が求められる。


22日(木)には、(公社)日本インテリアデザイナー協会の創立60周年記念祝賀会があって、デザイン8団体の縁から出席。なんと20日の「知的生産者・・・」も、こちらも、国際文化会館(東京都港区六本木)での開催だった。
表彰に随分、時間を取られたが、続いた内藤廣さん(東大名誉教授)の講演を聞いて、質問したのが、上記の問題だった(空間が時間をコントロールできる?)。
話は自分の仕事(作品)のことではなく、山手線一沿の都市開発の現状についてと、最近の自分の考え方について。特に渋谷の開発については、トータル・デザイン・コンサルタントの役にあるようで(渋谷区景観審議会委員でもあるらしい)、開発をコントロールする難しさを含め、いろいろの体験話があった。
内藤さんは建築家なら誰でも知っているだろうが、個人的には会ったことが無かったので、これを機会に自己紹介させてもらった。講演内容と質問については、これも別に記述する必要がありそうだ。ちょうど、この前の当ブログに書いた 「30年単位の話」(もっとも内藤さんのは、1988と2018が似ているというイントロだったが) から始まったこともあり・・・。




●一方で突然、不安がよぎる。こんなことやっていて何の意味があるのだろうということ。ここからが本心だが、「知的生産者」に現実の恩恵が生れるのは、もしかすると、あと何十年も後だろう(これについては後から論拠を示したい)。アアルトの仕事を見ても、それは他人のことだ。内藤さんが「これからは時間が主軸になり、それを空間が何とか出来る」と言ったって、質問した通りの本心から言えば、空間に時間をコントロールできるのは10〜20%程度ではないか、が自分の考えだ。
要するに、考えと表現をまとめることがとても難しい状況に置かれているということ。人生の時間は限られている。見えているものがあると言ったって、それをどう要約、表現出来るのか。それが苦しい現実だ。●






・347930  19:30     348200 11/24  19:30