「AIの未来を伐る!」

●部、追記/18:15



「AI 時代、デザインに何が可能か」グランド・セミナーの成果を紹介
そこから何を学べるか。



勝手に、社会で起きている事態を大きく見せ、人を不安に陥し入れる。
そんなことをやるつもりはないが、ことAIに関しては、コンピュータ世界に弱いこともあって、長らく気になってきたことだった。
そこで昨年、いろいろな分野で活躍されている社会人に集まって頂いて、自分の考えを述べて貰った上で、意見交換をしたいと考え、この企画を立ち上げた。
結果的に、世の中がAIでもちきりになり始めたこともあって、いいタイミングで、デザイナーや建築家の立場を表明することができたと思っている。


●見える転換点は2020年で、もう2年後だ。承知の通り、東京オリンピック開催後からの問題。背景が何やら恐ろしいのが、日本よりアメリカや中国の経済事情がより緊迫しているということ。ローンで買い物をする習慣のアメリカ人の借金=家計債務額が過去最高水準に(13兆1000憶ドル=約1410兆円)なっている。これは世界金融危機リーマン・ショック)の起った08年9月の12兆6800憶ドルをすでに超えている。
中国の民間債務(金融機関を除く)は去年の初め時点で23.4兆ドル(当時の為替相場で2597兆円)で、リーマン・ショック以降、4倍増とのこと (国際決済銀行の公表17/9)。(中原圭介「日本の国難」の紹介記事から。週刊現代6/9号)
アメリカや、今や中国がくしゃみをすれば日本は風邪をひく、と言われてきたが、ここにAI革命がのし掛かるのだ。
仮に労働力の2割がAIやロボットに代替された場合、2020年代後半には失業率が6%ほどまで上がる事態も想定される(中原氏)。ここに、日本の自動車メ―カーのリスク(EV化の遅れ)や、ビジネス革命(アマゾン、アップル、グーグル、中国企業などのネット通販形態の拡大)が組み込まれているわけで、いかにリスクが大きくなるかが想定される。加えての超高齢化社会と人口減がどう失業率を補填するのか。
こういうことを承知しておいて、では、クリエイター達はどうすべきなのかを考えて、それでも(それでこそ)生き残る立場を表明していこうとするのが、セミナーの趣旨だった。●


パネリストは、つい最近まで経産省でモノづくり政策の企画立案をしつつ現場に密着してきた渡邉政嘉さんで、現在NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)理事という要職の方。
(株)丹青社のクリエイティブ・ディレクターで、東大でも教えている洪恒夫さん。デザイン8団体(全部、公益社団法人で通称「D8」と称している)のデザイン・ミュージアム構想をもまとめている。
武蔵野美大教授で、元「日経デザイン」編集長のデザイン・ジャーナリスト、森山明子さん。オリ・パラ競技場問題で建築家の若山滋氏と共著を出版。俵屋宗達を持ち出して日本人の創造原点を問う。
日本建築家協会(JIA)デザイン部会長で、あちこちの大学でも教えている若手の山本想太郎さん。同じくオリ・パラ問題を含めた建築設計界への大胆な提言をしている。


紹介順は不同だが、これだけ多様な人々に集まってもらうと、面白いが進行は多難を極め、結局、読めるものに何とかまとめるのに半年かかった。

それでも、多様な意見を聞くだけでも意味のあるセミナーだったと思うので、アップ・ロードされた記事内容をぜひ、のぞき込んで頂きたい。//www.japan-design.or.jp ですが、「日本デザイン協会」でも検索できます。A4で29ページになります。



NPO日本デザイン協会/日本建築家協会(関東甲信越支部)デザイン部会共催。2017年11月30日開催。


ご参考) 当ブログ:「尾を引く実家の売却」5月13日記事の最後の方で、本件の内容に関わることを伝えています。







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