日本の敗退

先週だか(2022/1/16か)の寺島実郎のオンライン・セミナーでの、戦後2年ほどのうちに米軍が決定したらしい、「日本軍の敗退理由」の話は興味深かった。5項目を記憶を頼りに。

1・国力の無視

2・エネルギー源への軽視

3・陸海空の不統一

4・作戦第一主義

5・成功体験

正確ではないかもしれないが、的確に日本軍の欠点、もっと言えば日本人の欠点を突いている。

ここからの議論は深まるが、当面、記録メモとして。

 

何としても主役は、山本五十六だろう。なんと3回ほどもアメリカに行っているようだ。しかも最後の時は当然開戦を意識していたらしく、あちこち見て回っていて、石油の実態を把握するためだろう、アリゾナの方にも行っていたようだ。

それなのに開戦を止められなかった。

自分では「この戦いは負ける」と判っていたのに、戦争へと駆り立てる軍部やメディア、それを盛り上げる国民感情に逆らえなかったということだろうが、その辺が軍人だからだろうか。自国の限界を国民に向かって説明せず、一億玉砕でもそれはそれで美しいなどと、一瞬でも悲劇の美のようなものまで思っていたとしたら、まさに感情に流される国民性を代弁している。

 

昨夜(2022/1/23)、山本五十六に関するYV特集があり多くのことが判った気になった。やはり、「忖度」の度量がおおきかったことと、軍人である以上上級の命令には背けなかったということだろう。

第2回ロンドン軍縮会議は、一か月以上も続いたようだが、途中でイギリス外相が山本に理解を示し、山本はそれを受けて妥協案を作成(軍艦のトン数割合にする案)、本国に打電したが受け入れられなかった、という経過があったようだ。

1940年の時点では、米5,英5,日3の配艦割合を受け入れる国民の機運は多かったようだが、1946年のこの時点では、大きく軍縮会議撤退に傾いていたという。その背後には、北一輝などの極右勢力と通じ、マスコミを使って排米英に向かわせる海軍の運動があったという。驚くべき思い上がり、それに追随する国民の無知さ加減に改めて気が滅入る。

というのも、最近の中国の「自国第一」主義的な動きは、この当時の日本やドイツと何か妙に似た所が出てきているからだ。本日の日経(1/24)ではそのことを、マイケル・ベックリー(米、タフツ大准教授:祖父母が日本出身)、エマニュエル・トッド(仏歴史人口学者)の二人が言っている。