岩盤規制が日本を亡ぼす

気になるテーマだ



このテーマでの新聞広告を見て、ビクッとした。
十分、頭に入っていると思っていたが、改めて「岩盤規制」と大書きされると、「フム、やっぱりこれだな、自分の関心の核は」という気になったのだ。
と言って、この事自体が自分の専門領域、例えば法学部出で行政や政治に関わった人生ではないこともあり、具体的にはどうすればいいのかわからない。
本屋で聞いたら、何と、売れていて今、在庫が無いとのこと。書名は「日本を亡ぼす岩盤規制」(上念司著、飛鳥新社)だった。注文して届き、先ほどパラパラと読んでみた。
結局、自分の関心領域の記述はなく、がっかり(もっと読み込めば発見があるかもしれないが、当面)。
あった分野、つまり岩盤規制の領域とは、財務省、農業、放送・通信、銀行、NHK、医療・病院、保育園、朝日新聞、となっていて、例えば、国土交通省、建設業界、建築界、デザイン界などというのは無い。




過日、このブログでも取り上げた「落日の建築家」などに関わる記事や情報には飢えているのだが、なかなか一般論にはならないようで情報が少ない(最も、これを専門に探しているわけではないので)。
そこで、というわけではないが、自分で、関係するテーマで「勉強会」を開きたくなった。
というのも、「規制に関わる問題」は運営するNPO日本デザイン協会の課題でもあるし、ちょうど過日、話を聞いた神田順先生(建築基本法制定準備会会長、東大名誉教授)が 「やはりイタリアン・セオリーには思いがある」 と聞き、改めてこのテーマで考え方を確かめてみたいと思ったことも関係する。


「イタリアン・セオリー」とは、すぐにはわかりにくいが、イタリア出身の哲学者たちが、イタリア人の考え方のいいところ、国際性などを、哲学的に問題視した論考の成果のことらしい。
そこには規制に囚われずに、社会と文化を生み出す国民性のようなものが秘められているようで、そこに神田先生は注目していると読めた。
こういう言い方をすると、自分がイタリアに10年いた観点がないのか、と言われそうだが、ケース・バイ・ケースで言えることなら山ほどある。それに、神田先生がどう思っているのかを確かめないと、ということと、あまりに在伊が長かったので、愛憎がただ事ではない状態をバランスを取るのは簡単ではない、ということがある。


ということで仲間内でテーマについてやり取りしているのだが、まず神田先生に聞こうということで始まっている(先生からの参加の合意はすでに頂いている)。
そこで、仲間がこんなことを言っている。
「イタリアンセオリーは神田先生の説明から、現在の法律の複雑化と経済性優先から自由に創ることが難しくなっている、文化が生まれなくなっている問題を示唆している、と解釈しました」と。
それを受けて僕の提案は、神田先生の解釈の明確化をベースに、論点を絞るとなれば、解釈した流れで推定すれば、主な論点は、
1・規制を強める力(法律の複雑化)はどこから来るのか (経済性優先は、歴史、時代性から見て、すでに一般認識に達しているとして主題から外すとして)。
2・規制を強め、経済優先になると、なぜ「文化が生まれなくなる」のか。
3・規制を弱める方法はあるのか。無いとしたら何故か。何か出来ることはないのか。
というようなことではないか、とした。


勉強会レベルだから、この辺までかと思っているのだが、具体的に「岩盤規制」と断言できるような論点を見いだせないでいる自分が心苦しい。
それでも、このセミナーは実現しそうで、近日のうちにここにご案内できると思うので応援を宜しく願います。






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