設計施工一貫性の是非問題の続き

【論】設計施工一貫性の是非問題
思考停止に追い込まれる難しい問題―こんなことを気にしている奴がいるのか。



内田先生はドイツの設計業界の話をされた。
ドイツでは設計者が施工業者まで選定して工事の監理をするということだったと思う。
事実、我々だって設計監理と称して、工事経過にまで口を出す。ただし工事業者が勝手にやるのを建て主側にたって判断、評価することになっているとしても、どんどんリニューアルされる技術的知識や大きな損害賠償にまで対応しきれない場合が多いのではないか。
このことが工事に関して立場が弱くなる現状を示していて、いっそ施工と分離して外から判断する方が倫理的という立場を作ったのだろう。

専門家の間で「専兼問題」と称していることは、このことを問題としているからだ。専=建築家の職能に専従すること。兼=設計者でありながら工事業者でもある場合の問題(工事会社の設計部勤務等)は、設計施工一貫性の問題の別の言い方であろう。


(結論を出せないままに、問題に引っ掛かっている。続けられれば続けるが、歴史的経過からこうなった現状を見ると、うんざりする問題であるのは確かだ)