漱石のデザイン論

【日記】

自分が書きたかった類の本だ。


ひょんないきさつから、とても面白い本を古本ショップで新刊書として見つけた。

漱石のデザイン論」(六曜社)
著者は川床優(かわとこ ゆう)氏。
面識はないが、1950年生まれ、ムサ美建築学科卒業。当時話題の中心だった「ジャパン・インテリア・デザイン」編集部勤務後、各種のデザイン情報関係のヘッドを勤めて現在、(株)メディアフロント代表。編集者である。

まだ上面(うわつら)読みでしかないが、じっくり腰を落ち着けて、漱石の考え方を追っている。


漱石が若いころある時点まで、建築家になろうとしたことが、漱石研究者や漱石に関心を持つ作家の間には知られているようだ。谷崎潤一郎司馬遼太郎である。
それを遠慮ない学友に止められた。


話の面白い所は、漱石の後年のあちこちでの講演や書きものを通して川床流のデザインの本質を語ってゆくところだ。それがだいたい納得できる。この人はデザインのことをよく判っていると思えた。


内容については後でゆっくり触れたい。