トランプ・ショック

夕方の4時ころ(日本時間)にAP通信が、真っ先にトランプの勝利を宣言した。    ● 11/11  想いの続きを記載している  ●


そうなるかも、と思っていても、実際にトランプの勝利となると、他人事ながら(他人事ではない?!)久しぶりに興奮した。
何しろアメリカとはすごい国だということだ。程度の低い発言を繰り返し、ビジネス以外には何も知っていないような男を大統領に選んでしまったのだ。
如何に白人の貧困層を中心に、既存の体制に不満が大きくなっていたが実感できた (後で聞くと、中間リベラル層も相当怒っている様子だ)。
この後の日米関係にも大きな影響が出てくるだろう。
イギリスのEU離脱といい、このところ世界が大きく動いているという実感がある。
日本で感じているアメリカの違い、そのアメリカでもメディアでさえ誤算していた事実はいろいろのことを考えさせる。
この1年は世界情勢に注視の時だ。
こんなに世界が近く、同時的で、狭いと感じる時代になっているのだ。


●11/11 の追記:
と、ここまで言うのは、誰でも言える。
この現象の凄さは、「既得権益層を崩す力が民間にありそうだ」ということを期待させてくれたことだろう。
それほど、ヒラリー・クリントンの経歴と背後にいる夫の存在は、既得権益のシンボルのように見えてきたのだろう。それがトランプ陣営の勝利に加担したことは明らかだと思う。
こうして初めて「デザイン的な問題」とも接点が出てくるのだ。


現代の産業界では、カネと時間をかけて積み上げられた利権の仕組みは巧妙に生かされている。
基本的に全てはカネであり、カネのためである。その上で、本来の事業行為の意味が正当化されているとみるのが現実的だ。
カネを動かせるか、カネを動かす権力を掌中に出来るか。それ以外はほとんどリップ・サービスでしかないのが現状の社会だ。自著でもこのことを、資本主義の終焉が近づいているという意見への共感として伝えている。
今は悲しいことにリップ・サービスしか出来ないから、それで我々はうごめいているのだ。
それでもトランプは、自身の金満家ぶりを隠して、と言うより、そんなこと気にもせず(爆言の広報効果を優先してか)、既得の権益に噛みついたと見えるのだ。
(後から聞いたことでは、トランプも個人事業から立ち上がってきた中小事業者の一人なのだそうだ)。
ここでも豊富な資金が無ければやれないことは明らかだが (それでも選挙資金はクリントンの何分のⅠかだったそうだ)、政治の改革でそれがやれるなら許すという大衆の判断だった、と言えるのだろう。それが社会構造の改変にまでつながるかどうかは、今後注視していくしかない。