小田原のこと

小田原のこと

「なぎ邸」のことは1月25日に書いた*。
昨夜からここに泊り、今日のこころづもりをして来た。
ここは袋小路のどん詰まりに近く、静けさだけが取り柄のような場所で、風通しがよく、このため以外と夏は涼しく、空気も澄んでいる。さらに夏なら海水着のままで海までもいける。


小田原市との縁が出来てかれこれ5年以上になるだろう。ここで時々セミナー風のことをやって、この昭和の家を基点に小田原という土地柄にあった事業が出来ないかと考えてきた。これはあくまでも、NPO「日本デザイン協会」の事業の一つとしてのことだ。一昨年の夏には、学生を動員したりして3班にわけ、海岸通り、街中、山沿いで記憶に残る史跡や景観美を探ったりした。
今日はここで、銘打って「なぎ邸放談会」を開催。ここの使い途を探ろうとしたわけだ。
参加者の話から、ある構想が真実味を帯びてきた。
それは、デザイン8団体(略称D8。後述)のメンバーを主要な相手に、この家で3〜4日、一週間、二週間、一ヶ月という区切りで、静かな創作活動、あるいは個展などを住み込みで自主的に生活管理して行なう場所として解放するというもの。
いわば安い経費で環境を変えての、短期的な集中作業、瞑想時間・充電時間の創出、あるいは仲間を呼んでの共同作業、内輪の個展などの「オフ・タイム・スペース」提供である。


但し条件があり、まずD8メンバーというところだが、まったく得体の知れない人たちに貸すわけにはいかないからだ。次に職業的に見えているということがある。建物をきれいに使うということから、大型工具やペンキ、泥を持ち込まないということで、それが可能な場合のデザイン・建築系、学者・研究者系を中心としたいわけだ。その上で、各団体の事務局まで煩わせることはないと思うものの、簡単な管理契約はしてもらわなければならないだろう。従って、このような条件が問題なければD8メンバーでなくたっていいわけだ。
次に50才以上としようか、と考えている。こういう環境への理解と郷愁、精神と時間のゆとり、社会関係への配慮力を考えると、安定した世代が優先ということになろうかと思う。もちろん、夫婦でも恋人同伴でも構わないのだが、管理者と第三者への迷惑だけは困る。
その他の条件とは、火事予防、清掃管理、電気・水道・ガスの管理と節約、近所迷惑な大騒ぎをしない、連絡義務くらいだ。つまり自分の家でやっていることと同じ。
一週間3〜5万円くらい(食事別。当面光熱費込み)なら、希望者がいるんじゃないかとは、DDAの山田さんの意見。

今後、これを詰めてゆくが、D8会議に提案するということがある。これは現JIDA理事長の山内勉さんにお願いしよう。
また今日の話合いで、多分、小田原市の政策総合研究所(政総研)に提案して、協力を依頼するということも、市との連携を考えてゆく上では意味があるとの合意が出てきた。