深い思い

深い思い

ここしばらく、いろいろのことがあった。

記憶しておきたいことはたくさんある。パリ行きと映像のこと、JIDA(社団法人日本インダストリアルデザイナー協会)の機関誌に、現理事長の山内さんと対談を載せることになったその内容の話、今日、あった(財)発明協会の話。息子のことや身内のもろもろのこと・・・。
ここでは、パリ行きのことと映像制作のことをちょっと記録しておく。

パリへは行かない事にした。「新日本様式」協議会予算がどんどん無くなっているようで、とうとう展示も、「もっともらしくやるのは却ってみっともない」ということで無くなったのだ。正確には、大体選定してあって持っていける「53選」からの数商品を、パリ三越エトワールが所蔵している展示台に入れるなどして、出張事務局員レベルで並べて終わりにするということだ。しかも一晩だけ。
当然、こうなると「ご相談ですが、大倉さんの出張旅費は出ませんがご検討を・・・」ということになった。数時間のさんざめきに身を置けないのは残念だが、ここまで自分の旅費で、それだけのために何日かの時間を割くのは考えられなくなってきた。個人あるいは家族旅行がしたいということであればまた別だが、パリとフランスは取りあえずもういい。というより、心理として、個人の金まで使って今、遊びに行く気持ちになれないのだ。これには身内の問題が絡んでいる。


「新日本様式」紹介の7分ビデオだが、出来上がった。
出来は・・・まあまあいいのではないか、というところか。予定しているテロップ(画面表示文字)の入った完成映像をまだ見ていないので、最終評価は出来ないが、こんなところではないか、というところまでは見ているからだ。


これで深く感じ入ったことがある。
実際には、操作の詳細はこの方面の専門家に任すしかないが、制作の要領はわかった。
特に関心を引いたのが、映像に音入れを加えてミキシングする操作の面白さと、音楽、ナレーションなどの音源の魅力だ。
日本人にフランス語を教えているアンナさんという、若いが低くクレバーな声の女性のナレーションがついたら、映像が途端に活きだしたようにみえた。
フランス語。リエゾンの効いたこの言葉は魔法のようだ。彼女は自分でも抑揚を変え、何度も言い直していた。
紹介されて知った在日17年とかのボードリーさんが、テロップとナレーションの翻訳もしてくれ、意を汲んでアンナさんに映像の製作意図を説明してくれていたようだった。
映像の内容と制作「秘話」は、また明日にでも話す。