改正建築基準法はいらないという目覚め

「いらない」はいいが、そのままでは解決にならない。


●以下は4月9日追記


「改正建築基準法はいりません!!」
こんなショッキングなシンポジウムがあった。
4月1日、文京シビックホールで。



予想通り、内容はわかりきっていることを、上なでするかたちでしか出来ていなかったが、それでも、このテーマでやるだけ「建築ジャーナル」誌は偉いと思った。本来、この催しはJIA(日本建築家協会)がやるべきことだ。後援じゃしょうがない。

それでパネリストの4人を比較してみると、建築家でない人の方が、一般に状況の全体把握はしっかりしていることが確認出来た。例外は司会の、設計事務所を経営する江口政男氏。
中でも民主党衆議院議員の馬渕澄夫氏はよくわかっていると言えよう。東大教授の神田順氏も政治行動でしか変革は出来ないと言ったあたりは正鵠を突いていた。


●そもそも「建築基準法」「建築士法」の成り立ちも、現状の「改正」も、結局、立法と施行する側に建築家という職業の現実認識が無く、構造、防災からの安全、安心だけを追いかけてきて、それをペーパーワークで建築士の仕事として押し付けているからだ。
建築家個人の創意が建築に反映するものなら、こんな状態では設計は出来ないし、設計に責任を取りきれない。
そこには設計実務の混沌とした部分への配慮は無い。すべてを数字と言葉で仕切ろうとし、他に何があるのか(敢えて余裕をみせれば、他に可能な方法は無いだろう)と切り替えしてくる。
設計者に法的制約への照合だけを求めるなら、設計などは要らない。


この続きはまた後でしたい。こういう分野では、一般の人たちが見ても読んでも面白いという書き方は超大変。文章能力に欠けるからだ。