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【論・情報】  ●印、翌日追記あり



苦渋をもたらすホームページ(以下HP)の更新


数日前からHPが新しくなっています。
以前からアクセスは少なく、前HPからの継承でも3650件位からの恥かしい出発です。
そもそもHPなるものをあまり信用せずに仕事が出来たし、そういうクライアントに恵まれていたことがアダになっているのでしょう。


最近、弟(コンピュータサービス会社社長退任後、各方面の同関連の顧問をしている)から聞いた話では、カッコいいHPだからと現場に行ってみると大違い、などというケースが増えてきていて、HPがいくら良くても、それだけでは信用出来ないという市場の判断傾向がはっきりしてきたとのこと。
それなら待ってました。そんなにカッコいいHPでなくても深く伝わるものがればいいんだ、という気にもなってしまうのです。
さもありなん。
今度こそと行きたいとは思うものの、今回はこれまでのHP素材(作品等)を使って変えてもらっているので、新しい仕事の紹介にまでなっていません。


一つの理由は、言いにくい話、紹介したい作品の写真が準備出来ていない事です。


最近、インテリア改修が多く、現場に夜遅くまで職人が入っていて写真どころではないのに、翌日はオープニングなどということになると、よくよく高額物件で、わが意を得たりというような改修でもなければ、カメラワークを入れるよう交渉するような気にならなくなてしまっていたのです。
更に、オープン当日ともなると張り紙や掲示板、楽器会社であれば思わぬところにアップライト・ピアノなどの陳列が出現、意とはちょっと違うプランター(鉢植え樹木)、飾り立てられた献花などとなり、カーテン、ブラインドとまでは言わなくても、これをどかして欲しいとは言いにくくなってしまうのです。住宅写真などでも、似たような問題が生じており、建て主さんの撮影拒否などにもなってくるのです。


このことには大きな自己問題があって、このブログに写真を入れてないことでもわかるように、当方もやるなら本格的にと思ってしまい、シチュエーション、アングルなどじっくり決めた写真にしたく、ハンディ・デジカメなどで撮った写真などは使いたくないという気持ちがあるのです。
加えてブログの場合、自分での編集加工が面倒だったり、何度聞いても忘れてしまったり、当然スタッフに指示したり外注してもなかなか満足出来ず、結果、時間が経過してしまうということです。そして、この時間も経費も十分出せない、という予算のしめつけもあるのです。


こうして、この新しいHPも進めていながらどうしても十分な自己満足に至らず、しかも以上のようにコストが抑えられている、あるいは、スタッフにグラフィック原稿を協力してもらったことからも、ますます変更が難しくなってしまうという隘路に陥りました。何と始めたのは3月初めでした。


また、言い訳しても始まらないのですが、努力して見せたかった空間があっても、市場で言うリーマンショック以後、依頼主から不当な仕方で契約解除になったりして訴訟となりかねない状態では、現場に行って三脚立ててプロに撮影してもらう気にもなりません。そういう問題もあるのです。


こうして二つ目の結論としては、いい仕事が大幅に減り、変な仕事や、施工価格の安い業務が増えてしまったことが大きく響いています、という馬鹿正直で愚直な逃げ口上。


これまで大きいことや、横断分野で仕事をしていることの表現ばかり考えていたのですが、こういうことになるなら、物凄く苦しんだディテールなどもいろいろ撮っておけばよかったと今は思っています。今度のHPでは、建築の細部についての案内や考え方の欄も加えているので、そういうディテールが必要になってきたのです。
去年参加し落選した都市開発国際コンペ(イタリア・ブチナスコ市)のパネルも帰って来ているので、反省点も考慮してビジュアルな形での見せ様もあろうと思うのですが、手がついていないのです。


最後に本質的な大問題は、このパラダイム・シフトの時代に、何とか理念を言葉で発表したいので、どうしても言葉頼りになり、日常業務以外は言葉での思考で頭がいっぱいになってしまっていることかも知れません。


●これについては、HPとは直接関係無いけれど、重要な発言が抜けていました。
言葉でなければ表現できない分野に踏み入れていることを説明しなければならない。そのことの解説が必要なのです。
そのことによって、トータルな「デザイナー」問題に説明が及べるからです。
これをすでに実践し始めている例として、明日以降、著名なデザイン会社「IDEO」(アイデオ)の社長ティム・ブラウンの考えを引き出しつつ、この説明をしてみたいと思います。それで初めて、狭義の建築・インテリアだけでなく、都市・環境までを含めたプロダクト・デザイン分野の抱合が出来るからです。


でも、変えてゆくつもりです! 言い訳は終わりです。