近況報告・セミナー案内・野老さんのこと・スケッチ展

【情報】  ●11月9日になっての記録追記あり


一カ月のブログ不在、申し訳ありません。


予告なく夏休みを頂きました。
と言いますか、この一カ月に休暇での出入り以外にいろいろのことがあり、書く余裕もなかったというのが実情でした。
一番のことは、長くリウマチを病んでいた妹が亡くなった事です。嫁いで旦那もいるし、立派な息子と娘がいることですから、こちらがとやかく言う立場ではないとは思いますが、妹の死は何か、言いようもなくのしかかってきました。
他には、とんでもなく時間を取られてしまった原稿があります。
あの3・11以来、昨年から進めていた原稿が書けなくなりました。
ブランクの末、書き始めてみると、段々何が言いたいのか分からなくなってしまったのです。
どこかで触れていると思いますが、私の本業は文章書きではありません。
これを一冊だけ揚げて、早く言葉の世界から逃げたくて仕方がありません。
でも、そう思えば思うほど正直なもので、文章が文章になってこないのです。


それはともかく、これらの事情からも、夏休みが終わったとは公言するもののどんどんブログを書きますよ、という公示(笑)ではありませんので、よろしくお願いいたします。




早速ですが、9月16日(金)夜7:30分から9時まで、私がパネラーの一人になるセミナーが開催されます。テーマは「クリエイティブと事業再生」
これは主催者が建築やデザインの同業者ではないので、逆に大変面白い企画になっていると思います。デザイナーを他業界に紹介しようとしてくれている奇特な企画経営者の女性です。
このため聴衆は経営者、弁護士、ジャーナリスト、公認会計士、医者などだそうで、クライアント予備軍になりうる人たちとのことです。
後で簡単なパーティもあるので、こういう人たちと知りあうきっかけにもなるとのことで、私(大倉)の紹介で「仕事を探している人を連れて来てください」と言われています。
彼女とは、国土交通省の役人を通して知り合った仲ですが、このような企画に呼ばれるのは初めてです。とてもいせいがよく「私に任せて」とのことなので安心していますが、昔あった「異業種交流会」のようなものになるのかな、という予想でいます。

関心有る方は、直接でもかまいませんから、ご参加ください(但し、会場では一言、声を掛けて下さい)

会場:青山Velours(ベロア)南青山6-4-6 オルモストブルーB1
表参道駅から、骨董通りだそうです。T:03-5778−4777
アチェックがあり、入場には免許証、保険証などの提示が必要とのことです。
参加費:2,000円(1ドリンクつき)プロフェッショナル・クリエイターは他自己紹介で1000円だそうです。
主催:「不良債権問題研究会」(この名前でブログあり)、事務局:斉藤あおい・090-1024-3939
最大収容人数:100人




次に、JIA港地域会の報告を。
第4回MASセミナー報告。「建築家野老正昭の生き方から学ぶもの」開催。 7月30日
 当地域会初代代表の野老正昭さんが6月14日に急逝されてから、われわれの間で地域会セミナーとして思い出を語り合ったら、という機運が高まり、野老夫人、息子さんご夫婦をお招きして、ありし日の野老さんの日常を語って頂いた。
 野老さんはここ数年、港区の建築行政のありかたや景観について市民活動の中で、建築家としての意見や行動を率先して示されてきた。
当日は市民も交えて、鈴木理巳事務局長が適切な質問をしてゆき、それに交友の深かった高名な高橋こう一さんなど、来て頂いた知人、友人の話も交えて、しばしなごやかな雰囲気に包まれた。


 何と言っても会場が野老さんの設計になる教会(日本キリスト改革派東京恩寵教会:渋谷区恵比寿西1-33-9)としたことが素晴らしかった。
普段、われわれは議論し、強調し、反対意見もしてきているが、意外と本人の設計内容のことは知っていない場合が多い。今回はそのことを思い知らされた。
空間の適切な把握―無理がないだけでなく限られたスペースでの有効な心理効果を読んだ動線、どんな隅っこの空間も無駄にしない感性、図面に表しにくいコーナー壁面や天井への配慮、開口部の位置・大きさについての適切な把握、構造を意識させない造りなど、やはり建築は現場でなければわからないという思いを強くさせた。野老さんが最後に中国でやろうとしたプロジェクトへの意気込みが直に伝わってくる思いだった。 (MAS=Minato Architects Seminar)




●記録補記:9月19日まで目黒美術館で「スケッチブックの使い方」展。日建設計の大熊さんのメール案内で行ってみた。
小川千よう(雍の下に瓦)と澤部清五郎の、「浅井忠のもと、一緒に洋画を学んだ明治末の京都時代から、海外での貴重な経験を経て、大正期kら戦後の昭和まで、国内外の各地への旅行で描かれたものを中心に」小さな手帳風のスケッチブックに描き込まれた細密水彩画の数々。
「フーン、凄いものだな。それにしても、これだけ描けるなら大きい絵も描けば良かったのに」
大熊さんも、同じような細密記録絵を描いている。