新年に、安藤さん、浜矩子さんのこと

【日記】 補記:20150128


新年の抱負などはない。新年の雑駁な思いはある。


いろいろの想念が浮かぶ新年の始まりだった。


設計プロポーザルに関わっているので、そちらへの思いは当然あるが、このブログに描くようなことではない(ということにしておく)。


●やはり安藤(忠雄)さんのこと
デザイン評論家柏木博さんのことを書いた本ブログ(昨年11月20日参照)で言ったこととの類似問題として、安藤さんのことが思われた。当然、年末年始のどこかで、テレビ・コメントしている彼がいたことと繋がっている。
コンペで苦労してきたことはいい。また以前、聴いた「職人たちと飯を食う」だったと思うが、そのような話もいい。しかし安藤さんは決して「職能としての建築家全体の惨状」については言及しない。これも「もちろん彼のせいではない」というところで、柏木さんの話とどこか繋がっているな、ということ。
(フラッシュ・バックしている余裕がないが、彼のことは過去にも2度ほど触れたことがある。また最近、設備メーカーの機関誌で、いいことを言っている、という友の評価もあるが読んでいない)
一年後の補記:安藤さんのことを後になって書く機会が生じた。オリンピック競技場設計コンペの帰趨問題が生じた時である。ちょうど1年後の2014年1月25日の本ブログである。



●「現代『媚中派』人名辞典」を見て
媚中派」かぁ、そういう言い方もあるね。
そうでありそう、とか、敢えて取り上げられそう、という人物は判る。例えば秋元康岡田克也酒井法子など。
やはり以外だったり、「そうかー」など面白かったりした人物に、数日前に取り上げた柳井正がいる。他には沖縄県知事の仲井真広多、経団連会長の米倉弘昌朝日新聞主筆若宮啓文など(敬称略)。
論文「ユニクロ栄えて国滅ぶ」(文芸春秋09年10月号)を著わしたエコノミストの浜矩子氏はこう言っている、とのこと。
ユニクロ型の市場原理主義が国内産業を空洞化させ、日本社会の基盤を荒廃させてきたのは明らかです。その問題を解決する明確な企業哲学もなく、ただカメレオンのように経営しているとすれば、今後色々な局面を乗り切るのは難しいかもしれません」
評論家の金美齢氏も、柳井氏には手厳しい。
「…日本の繊維産業をダメにした上にそれは成り立っているのです」
(以上週刊文春2013.1.3/10)
もし、柳井社長が「デザイン(業界の、ではなく)をするクリエイターや設計者たちの発展と向上のために」と、我々の団体などに1億円づつでも寄付してくれれば、印象はガラリと変わるであろうに。



●月夜のイメージが湧く
真冬だというのに、ひょんと湧くイメージに季節はない。
いろいろの白黒映画にあった月夜のシーンが、妙にリアルに浮かび上がってきた…
「我が青春のマリアンヌ」の、鹿が覗く森の中の学生寮の窓辺から…
「恋人たち」の、二人が庭をさまようシーンで、木立のない中庭に降り注ぐ月の光…


月夜のシーンが妙にリアルの脳裏に浮かんだことによって、青春時代のヴィヴィッドな心情が一瞬蘇った。あんなに雑念から離れて、自分自身が月下にあって、その青白く透徹した光を浴びているような気になれた、あの青春!