日経新聞コラム「春秋」が取り上げるデザイン

【論】  


「デザイン」の意味の拡大を取り上げた日経新聞コラム


日経新聞の5月27日の1面にある、「春秋」という小さいコラムを読まれただろうか。
なんと、まったく珍しいことに「デザイン」のことを書いているのだ。
なんとと、また言おう。 六本木のミッドタウン内にある「デザイン・ハブ」(会場は産業デザイン振興会が所有)で行われている「未来を変えるデザイン展」を肴にして、「デザイン」に言及しているのだ。珍しいことではないか。
その内容は、「(デザインの用法が広がってきており)モノではなくシステムやサービスの提供に目を向ける企業の動きと軌を一にする」と言うとおり、視野を広げるのに一役買うものだ。
昨日あたりのテレビでも、大手企業が「専門バカ」ばかりでは国際的な営業交渉現場では負けてしまうと、従業員の知識の獲得とその拡大を営業資源と捉え、例えば大学の教養講座に通わせるなど、投資し始めた話題を取上げていたが、こういう背景を意識したことにつながっている。


実は数ヶ月前に、思うところがあって、この新聞の最後のページにある文化欄に投書し、同じようなことを述べたが採用されていない。ちょっと偶然にしては、という感もないわけではない。まさか、人の投稿内容を盗んだのではないだろうが、「あーあ」という感じも。
ちょっと引いているのは、頼まれたのでもなく、コネがあったのでもないからだ。それに、この「欄」が比較的論理証明や社会論のようなことでなく、個人体験や経験、人と違った趣味や実益など、具体的な内容(ノンフィクション)を中心にしていると見えるため、ちょっと畑が違うかなという感想は持っていたからだ。たまには理屈っぽいことや文人の印象記のようなものも載っていて、これを見て、もしかしたらと思って出したのだ。
で、現在まで何の返事もない。もちろん、今後も無いだろう。



話は戻るが、この展覧会をみるとがっかりする。大手企業が、1mもない直系の乳白半球ボールを小穴から覗くと、何やら超ミニサイズの模型や景観が見えるという仕掛けを作っている。メッセージの端緒は何でもいいという感じ。この視覚操作からは、ほとんどなんのインスピレーションも生まれないと感じた。ほとんど金を掛けなかったことは明らか。別冊子による「未来への取り組み言語版」が主役と自覚しての設営ではないか。
こんなことでも大手企業が何社か集まれば、新聞も取上げる。




ついでだが、同じミッドタウンの敷地内にある、21‐21デザインサイト(六本木)で「デザインあ」展なるものをやっている。凄い人気とか。で、行ってみたら確かに20mくらい並んでいた。

それでいいんだろうな、と思う内容だった(後述)


うーん、これもデザインだろうね。子供向けの遊び場提供が底意にあったような気がする。キッチ、以外な展開になるもの、並べれば面白くなるものを探したようだ。子供連れが多く、このため40分も待たされた価値があったのか。