Gマーク展を見てハロウィーンの夜へ

【日記】  11月6日に追記あり


Gマーク展が始まっている。

今度の「Turning Point…」の企画(9月25日の本ブログ参照)は、六本木の東京ミッドタウン・デザイン・ハブで行うので、何かと会場持ち主のデザイン振興会にはお世話になる。その関わりから常務理事の青木さんから、ミッドタウンの1階でやっているから、Gマーク展(グッドデザイン展)を見てくださいとの連絡があった。


Gマークの審査委員には10年ほど関わっていた割には、このところ見るのは1、2年置きという場合が多いが、話題提供もありそうなので早速、見学に。

想定通りに、モノの選択の限界にきていることを実感させた。
モノ、つまりこれまでの考えの工業生産による商品という理解は、当然ながら中国、アジア諸国の追い上げに会って、コスト、生産量などで太刀打ちできなくなっている。品質のアップ、アイデア、機能の融合、高機能部品などでしのいできたが、これも限界。モノのデザインはむしろ追い越され始めている。
超高機能商品、たとえばロケット、宇宙機材、航空機、リニア鉄道、自動運転車、水素エコカーなどは国策としても頑張っているが、これらはもう科学技術分野そのもので、デザインとしても主役にはなりにくい。
かと言って、シリコン・バレー的なIT産業では、アメリカに追いつけないし、これもデザインが主役ではない。
そして残るのは、コミュニケーションとしてのデザインや、医療機器などに見せるヒューマン・ファクター、地域主体の観光資源の活用化への参加、広い意味の環境デザイン、プライベートなネット・ビジネスの見える化などになる。
これで判るが、もうモノそのものではなく、コトであり、モノとヒトとの関係性であり地域性などになってくる。これにインターネットが関われば、最近よく言われているIOT(Internet of Things)だ。
そのことがそのまま、Gマーク展にも表れ、会場で行われたトーク・イベントに表れていた。偉いと思うのは、デザインの概念をここまで時代の先端に合わせて把握し、実際のイベントや選定にも応用していることだ。


これはまさしく、こちらの企画した「Turning Point…」の現場風景を現している。
モノのデザインだけの時代は終わった。


見終わって軽く夕食。ミッドタウンを出て六本木交差点に行ったら、身動きできないほどの混雑。そう、ハロウィーンのサタディー・ナイト! 気の利いた変装組には信号待ちの客から「一緒に写真を」と声が掛かって、喜んで画面に取り込まれている風景があちこちに。
渋谷ほどではないが、ここでも見ていて楽しくなるような仮装のオンパレード。タイト・パンツやミニ・スカートから、ロング・ドレスまで、帽子やスカーフはつけていても、顔はあまり変装したり隠したりしていないので見応えのある女性が多い。六本木故か。
そういえば誰かが言っていた、「ブスは仮装しないね」と。
追記して言うがひどい言い方だ。少なくとも「美女は仮装したがるようだね」とすべきだろう。


【後日追記】
とは言え、こんな呑気なことを言っている場合じゃないらしい。あとから聞いた報道によると仮装している男女はほとんどがアルコール漬けで、公衆トイレなどで着替えをしてるために化粧道具でトイレを汚し、公道に空き缶や忘れた着替え衣類などがちらかってひどいという。特に問題は凶器をもっていても不思議に見えないために、今後何が起こるかわからない状況だという。
特に渋谷のことらしいが、確かに面白いと言っている自分でさえ、ハロウィーンの成り立ちを知っているわけでもない。ミラノではほとんど大騒ぎとして感じたことは無かった。
それにしても なぜ近年、急にハロウィーン・ブームになったのか。
これには変身願望の拡大が考えられる。と言うことは、いかに日常が「しがらみ」でがんじがらめになっているかということだろう。日本にある危ない面の反映ではないかと感じざるを得ない。