@NPO「日本デザイン協会」の可能性

 このところ、NPO特定非営利活動法人)日本デザイン協会の問題を考えています。この法人は非常に出所正しく、豊かな生まれです。
 経済産業省認可のデザイン系社団法人8団体の正副理事長・会長や事務局長たちが集まって立ちあげた法人で、社会と環境の変化を踏まえてデザイン活動と啓蒙をして行こうという組織です。
 ただ残念ながら、すでに各デザイン団体の長たちですから、やりようによってはその事業がダブル行為のように見えてしまうこともあるわけです。唯でさえ、現職の社団理事長業務の遂行が厳しいときに、なぜ同じようなことを別にやるのかというわけです。
こうして、明確な活動がしにくいために少しづつしか成果を上げられませんでした。

 ところが最近、やっとこれらの既存団体理事長らが、満期になるなどして自由になり始め、いくらかづつ活動が出来るようになってきました。

 例えば理事の立場としては、私が関りデザイン系大学生、院生たちの協力を得てやっている「なぎプロ」です。
 これは小田原市にある、私の親が残したしもた屋を使って、城下町型都市の活性化を研究して行こうという目論みで、これには小田原市の協力もあり、昨年は4回ほどセミナーやワークショップを行ないました。

 このような運動をどのような方向に持って行くべきか、今、思案の最中です。
小田原市は昨年「城下町サミット」を主催し、全国の城下町都市の長や関係者があつまって、城下町の問題とこれからを語り合いました。
 当NPOとしては、これらの流れの中で、基本的に「デザイン」という視点・論点から、自らの提案をしてゆくことが望まれています。「デザイン」を景観、エコロジー、地域産業育成などの観点から、今のところある意味では城下町らしくもない小田原市の現有問題と接点を持たせようとするとき、どのようなテーマがよいのかを考えているわけです。身につまされるか、一般的で面白く具体的なテーマでないと、市民の参加や協力は望めないような気がしているのです。