日本の誇り?杉本彩

*日本の誇り?杉本彩


昨日の話だけれど、夕食後、偶然チャンネルを廻していたら、どこかで見たことがあるような人たちがアルゼンチンの空港で待機させられているという映像が入ってきた。
さて、有名人たちが麻薬でも持っていて、出国を止められているのかと思い、ついつい見てしまった。
段々、分ってきたが、最近流行のタレント社交ダンス挑戦の海外版のようだ。

ダンス、それも見るだけだが、特にラテンは大好きなので、アルゼンチンにまで乗り込んで挑戦するのは偉いじゃないか、頑張れよとばかり、しばらく見ようという気になってきた。
結局、最後まで見てしまったが、それはダンスが、特に杉本彩の踊りがとても気に入ったからだ。

実は、今、慌てて盛り立て役にされているペアのプロ・ダンサーと、南原組の女性プロの名前を改めて知ろうと、昨日の新聞(朝日朝刊)のテレビ・ガイドをひっくり返して見ているのだが、お二人の名前が出ていない。南原は清隆とあって初めて本名がわかったが、この現実は嫌な気分にさせる。
ここで、ちゃんとプロのダンサー名も出してあげたい。出した上で、お二人には御免なさいと申し上げておきたかった。
番組時間表の中は2時間番組のため、約110字分のスペースがあって、ここで「世界チャンピオンが集結のアルゼンチンで11年間の集大成・・・奇跡起きるか」云々とゴチャゴチャ書いてあるが、ここで「杉本彩初めて号泣」「南原の夢遂に達成か」と二人については記述がある。別に解説記事欄もあるが、そこでも他の芸能人を除けば、この二人だけだ。
知名度がつまり広報効果とは、げに恐ろしい。確かに杉本彩や南原と聞けば見たくなる人もいるというわけだ。現に僕も今、「杉本の話」をしようとしているじゃないか。
このために知名度アップのためなら何でもやる、という人間が出ても来る。杉本も惜しげもなく自分の体を見せてきた(もちろん彼女が、その「何でもやる」人種だと決めつけているわけではない)。それにしてもプロ・ダンサーなのに110字内の広報価値が無いとは何と言う事だろう。プロよりタレントの方が偉いというわけでは無いだろうに・・・。これは自分の問題にもなって来る。
しつこいけれど、たかが番組案内じゃないか。放映時はちゃんと名前が出ていたよ、という意見も十分承知だが、こんな微細なこだわりにある「プロ評価」と「下請化の構造」「個人の権限」といった問題意識、そして「テレビ映りとはどういうことか」という問題展開にも、理解がもらえればと思ってしまう。


それはともかくとして、この番組は「ウリナリ社交ダンス部『日本代表となり世界大会に挑戦SP』」(日本テレビ)とあった。そしてここでは、言い訳の通り、杉本彩の踊りの話に絞らせてもらおう。

ラテン・ダンスは、ダイナミックな体の動きから発するエロチシズムが生命だと勝手に思うが、日本人は体型の欠陥も相まって、どうもこの分野では見れたものではないとずっと思ってきた。輸入ヴォーカルがどんなに頑張っても欧米人、特に黒人にはかなわないように。
でも、声の質と声量はやはり負けるものの、かなり音楽的センスのよい歌手がではじめているという実感を持ち初めているのも事実だ。

そんな中で、彼女の踊りは自慢の体を十分に見せてきれいだった。何より体中で発散するエロスと、本人も言っていた「爆発的に踊りたい」という気持ちがよく出ていて、日本人もここまで来たか、と思わせた。彼女の紅潮した顔つきは、決して超美女というわけではないが、ある種の健康美のオーラに輝いていた。
動きのセンスもあるようだから、自分の体を美しく見せるボディ・コンシャスな運動のラテン・ダンスは彼女にぴったりだ。

どんなレベルの世界大会なのか知らないけれど、大変な労働だろうが、よく頑張った。
少なくとも、本場のアルゼンチンではあるのだから、この国の男女の前で踊る以上、みっともないことはして欲しくなかった。そんな気持ちがない混ぜになって、これならパンパスの民よ、見たか!と言えそうで嬉しかったのだ。

ここでも、「国粋主義者」になっている自分がいるようだ。