弁護士会館にて何を思ったか We should compare with lawyers for ou

医者と比較する事ばかり考えてきたが、これは比較にならない。弁護士と比較すべきだ…

弁護士会館にての雑話

We should compare with lawyers for our situation.



現在、ある弁護士の「弁護士ならざる発言」について、過日、結審した事件の当方弁護士と一緒に抗議していることもあって、初めて弁護士会館を訪ねた。


日比谷公園を望む最良の場所に、モダンというわけではないが、12階建て位の実に立派な会館を持っていて、よく聞く第一、第二、東京とかの弁護士会が各数フロアにそれぞれ収まっているようだ。数年前に建て替えられたとのことだが、事務局員も忙しそうに立ち働いていると見えた。


弁護士さんたちとは、近年異様に縁が深くなっていて、何とも自分に真っ先に訴訟社会の波が来てしまったような気持ちになっているこの頃だが、こういう場所に来ると、また例の想念がむらむらと湧いてきた。


例の想念とは、デザインや設計をする者が食えない、とまで露骨に言わないまでも、知と美へのソフト(創造行為)へのこの国での評価の低さがあまりにも大きい問題についてだ。
待っていてくれた若い弁護士さんに、自分の本日の要件も忘れてこのことを話した。


「いやあ、立派な建物ですね。弁護士さんて、確か国や大企業に出資されたり、保護されたりしている職分ではなかったですよね。この建物は、弁護士さんたちが金を出し合って建てたものですよね」

「そうですよ。そんなに立派ですか」

「いやあ、立派、立派。建築家やデザイナーの世界ではこんな建物は夢のようだ。よほど弁護士さんたちって、協力して自分たちの職分を大切にしてきたんですね」

「それはあるかもしれませんね。建築家の方々は、なかなか自分の主張が強いようですね」

「そうなんですよ。身の程知らずでまとまりゃしない。自分たちの職分をよく見つめりゃあ、協力して社会的な地位を高める方策が必要なのは分かりきっているんですがねえ。弁護士も輸入職能だろうし、建築家も後から作ってきた輸入職能です。これが百年も経つとこうも違って来るんだ」

「そういえばこの間、弁護士間に廻っている機関誌で各業界の収入比較が出ていたんですが、何か45歳の設計士の平均年収が450万とか。びっくりするような安さですね。収入レベルが低ければ、当然、出すものも出せませんよね」

「そうなんですよ。でもよく考えれば、好きだからこそ止められないんですね。それでどんどん下請化してゆく。弁護士さんたちは、この百年間、強い保護や、強権の元でなくやってこれたんですかね」

「それは司法、立法、行政という三権分立ということで守られてきましたからね」

「あ、そうか、分かった。それを四権分立にすれば良かったんだ」


四番目の権力とはもちろん、思いつきの言葉で言えば「文化施策」だが、今夜、ここにこの話を記したのは、それは確かに昼間の実話だが、この突拍子もない「四権分立」という概念はもしかすると、この国での必要な歯止め政策を理解させる判りやすいキーワードになるのではないか、と思えたのだ。



弁護士さんと2人でワハハと笑っているうちにエレベーターが来た。