GOOD} DESIGN EXPOSITION

ものつくり日本落日の予兆か


Finding the Japanese goal of the production : it's a hell.

グッド・デザイン(Gマーク)の品評会を見る。

気がつくと、このシーズン。
事務所の者を伴ってビッグサイトに行って見ると、昨夕6時のオープニングに黒山の人の行列。
これでも去年より少ないと言う。
今年は車の展示が少ない。反対に、住宅、オフイスビルといった建築のパネル参加が大幅に増えていると見た。
もっとも、見え透いた作戦か、審査委員長に東大の建築家、内藤廣(名前確認)を持って来たことの影響かもしれない。
あるレベルまで行っていれば選定します、という選択基準だから、これは応募も増えるだろう。


建築は国益に関係しない。どこまでも材料や工法やファサードや造形や光の具合やエコや換気力を競う。同じものは2つとないのだから、どこまでも極大や微細の差別化を競う。それだけだ。ここでは都市環境問題や観光、シーニック・バイ・ウェイなどからの視点はない。


一方、展示された日本の商品群を見ていて、何かとても危ないという気になってきた。
それは皆、正直過ぎるからだ。
エコに配慮し、機能の新生面を探り、素材を選択し、ともかくもきれいにまとめる。これって、往年の日本製品の十八番としてきたことの一段の洗練化ではないのか。
当面はまだいい。しかし、これらは明日は近隣国に真似られて、もっと洗練され、もっと安く売られているだろう。


商品分野と言ったって、人間が使うもの以上のものが必要なはずがない。それらが出そろってしまった以上、分野としてはもうやることがない。全部がさらけ出されてしまったのだ。
それがこの会場でハッキリするのは、良い悪いは別に、超高級品(ブランド商品、趣味品など)の商品ゾーンがなく、100円ショップレベルのゾーンが手薄だからに他ならない。スタンダードの中級品のオール・ジャンルが見透かされてしまっているのだ。そんな状態なのに、出品されていても、ある分野はグッド・デザインなどというのはおこがましいレベルだ。そんな分野もあるのだ。例えば、ベッドなど選定するのもみっともない状態だ。

出品申請しないのは自由だが、ボート、ヨット、ハング・グライダー、航空機、宇宙用品などがあれば、おやおやと、目を見張るのかも知れない。そう言えば、トヨタの二輪スタンディング・ビークル、といっても自分で勝手に名付けたものだが、あれは面白そうだった。ただ転倒への不安感と、どこでどういう使い方をするのか判らないという点で、まったく未知数の乗り物と見た。


いずれにしても、モノの世界の饗宴だ。こんなに造って、造ってどうするものだろう。
モノを越えたソフト、仕掛け、イベント、環境、五感の世界などを包含するにはどうすればいいんだろう。
それらは全く見えていない。