【情報・論】
タマラ・ド・レンピッカ、その愛の軌跡
彼女の名前と作品の一部は、自分がずいぶん若いころから知っている。
どこか引かれるが、絵画でもなく、ファッション・イラストだろうなどと思っていたこともあった。アール・デコの典型的な表現の一方法であるとも。
今、東急文化村で彼女の展覧会が開催されている。
始めて全軌跡を通観できて、とてもいいと思った。
作品は時代時代に翻弄されるように変化したが、それが却って人間らしい弱さと美しさをにじみ出させることになった。
若さと備忘で鼻っぱしりのいい時代の作品は、やっぱり輝いている。これはもうどうしようもない。
こうしてみると、作家の一生には大きな起伏があり、気がつかないうちにその峠を越していたりすことがわかる。
後ほど、この時代変貌について、もう少し付言したいと思う。
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