スノーホワイトを見る

【日記】



思い出してしまった子供時代…「スノーホワイト」を見て



スノーホワイト」って何のことかと思ったら、グリム童話の「白雪姫」のことだった。
制作年はいつなのか、多分もう古いのだろうが、家内がビデオ・レンタルで借りてきていて、食後のくつろぎに見ないか、という。
つまらないに決まっているから、「面白くなかったら事務所に行くよ」、と言って見始めたら、変に面白い。妙にリアルな画像なのだ。ついつい、時間を取られてしまった。

子供のころから「岩窟王」などで、絶海の孤島に幽閉されている王子(?)などのイメージが出来上がっているが、それを実証するような画像が多く、一方で、童話のドラマ化とわかっているから非現実な場面でも驚かないし厭な気分にもならない。


自分だけの思い入れかも知れないが、モンサンミッシェルを,それよりずっと小さいがもっと陰険にして岩壁から立ち上がったような古城(CGだろうが見事なものだ)。まさしく潮の引いた時にしか渡れないところも同じ。石積みだけで出来た壁、その割には深く高く大きなサロン。高い窓、わずかな光。しかもそこで行われる秘伝の式事。どうもそういうシーンには弱い(蛇足:自著「デザイン力/デザイン心」にはこういう心象風景への記述が少なくない…)



「鏡よ、鏡。この世で一番美しいのは誰?」という言葉も昔、昔に聞いた覚えがある。このセリフを吐く凶悪な成り上がり女王(誰?)、幽閉されてしまった王の娘(シャーリーズ・セロンらしい)が相克の主人公だが、二人はそれなりに美女で、陰惨な空気の中での妖艶な花となっているのもいい。(他にクリスチャン・スチュワート、クリス・へムズワース主演。誰が誰だか分からない。監督:ルパート・サンダース


リア王」などに言及するまでもなく、裏切りと凄惨の歴史に翻弄されてきた中近世のヨーロッパを描いた物語には、我々を震寒させるものがある。
実体験があるはずもないのに、そういうリアルな中世の城や村や不潔極まりない住民たちや甲冑の男たちを見ると、妙に自分の心理世界のように、実感出来てしまうのだ。


日本の歴史をほとんど学ばず、こんな世界を追いかけて育った小中学生時代は何だったのか。まさしく、日本は最低の国で、学ぶべきはすべて欧米にあると思い込み、またそれを妨げなかった教師たちのイメージが浮かんでくる。