まちづくりで小田原市長と対談

【日記】


「いろいろいい売り物があって、結局、特徴が出せない豊かなまち―小田原」は、如何にグランド・デザインを進めるべきか



ちょっと時間がたったが、10月3日に加藤憲小田原市長と2時間ばかり対談する機会があった。対談と言っても周囲に15人ほどの市の主要関係職員の方々が同席するというもので、当方も緊張して思いを述べることになった。
市長からの前振りの要点的な質問項目があり、レジメを提出、これに答えていくということで進められた。
こういう機会を作って頂けるのも、加藤市長がとてもリベラルで見識が高く、文化への視点も持ち合わせていられる方だからだと理解し、感謝している。
レジメに付いては別に紹介する機会があるとおもうので、まず許可を頂いて、加藤市長の「日記」から紹介させていただく。




―加藤小田原市長の公開日記から―


2013年10月04日(金)

まちづくりとデザイン



 3日、国内外で活躍されているデザイナーの大倉冨美雄さんにご来庁頂きました。市政の様々な分野における課題解決に向け、市長が政策立案などを行う際に、各分野の専門家や第一人者を行政戦略アドバイザーとしてお招きし、市長が直接アドバイザリーを受ける制度を設けていますが、「まちづくりとデザイン」について、この度大倉さんにお願いし、アドバイザーにご就任頂いたもので、昨日は最初のアドバイザリーでした。
 アドバイザリーの実施にあたっては、この制度の導入当初は、アドバイザーと私がサシで話をする形でしたが、一人で聴くのではなく、関係する部局の職員や、場合によっては市民の皆さんも同席頂いて、一緒に伺うスタイルに変えています。昨日も、庁内で関係する部局の担当職員らが同席、私と一緒に話を聴きました。

 そもそも、このテーマを大倉さんにお願いしたのは、小田原が歴史的文化的背景から実に優れた地域資源を豊富に有していながら、それらがいわばそのまま散在しているだけで、まちの魅力を伝えて行く上で十分に活かされていない状態であること、それを活かしていくには、小田原のまちが持っている資源を把握したうえで、然るべき方法によってそれらの見せ方を整え、表現していくことが必要であり、それはいわゆる「デザイン」の領域に係わることではないか、との認識があるからです。
 また、大倉さんは小田原で生まれ育った方であり、生家も南町にあって、小田原の事を郷土愛を持って熟知されていることに加え、日本デザイン協会の理事長も務められ豊富なネットワークを有しており、デザインでは先進地と言うべきイタリアなどへの滞在歴も長いなど、小田原の良さを知りつつ世界的なデザインの視野から小田原のまちづくりへの視点を提示して頂ける方です。

 昨日のアドバイザリーでは、イタリアのまちづくりの様子や、デザイン的観点からの小田原論などを伺った上で、実際にどんなアプローチが可能か、具体的な方法論をいくつかご提示いただきました。また、デザインの視点から語られた小田原とイタリアの比較論は非常に含蓄があり、考えさせられました。
 頂いたご指摘や提案を、少し時間をかけて咀嚼すると共に、同席した職員らとも意見交換を重ねて、デザインの観点からのまちづくりについて、事業化のあり方を詰めていきたいと思います。






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