新国立競技場問題で国会へ

【日記】       ●印以降、例によって追記。


新国立競技場問題で国会(参議院議員会館)へ行った!



参加してみて、こんなものだろうと納得。
一夜明けてみて、引けているのかもしれないと思える自分を感じている。


一応、集会が終わり、意見のある人は残ってと言うことだったが帰ってきた。参加者は約200人。会議室は報道関係者のカメラ放列もあって満員だった。
うだる暑さの中、興味をもって竹藪に覆われた首相官邸裏の坂道を下り溜池山王でお茶を飲んで帰ったのだから時間はあった。
今朝になって、会場の雰囲気を伝える必要や、あの時、残って発言すべきではなかったのか、ここまで頑張った人たちと親交を結ぶべきではなかったのか、などと思い出したのだ。
大体、凄く関心があり、新聞2紙の切り抜きや、週刊誌情報は、読んだ限り、集めている。それが何の目的のためなのかは、はっきりは判らないできた。
でも今朝方、この事件は、何かこの国の大きな転換点を示しているのではないか、と感じ始めたのだ。

出席していると、自分は建築家だが、こんな巨大なものを設計するはずはない(もっとも安藤も言っていたが)からとか、この運動は一般に言う「街の活動家たち」の仕事だからとか、安倍総理の手に渡った以上、我々が動かすなんてことは出来ないのは目に見えている、とかの先入観に支配され、あくまで傍観者でいようとする自分を感じていたのだ。(後からできれば経過を説明したい)


●ということで、メモも取らずに傍聴したので、うまくまとめられない。大雑把に記しておくと、

・主催は共同代表者らによる「神宮外苑と国立競技場を未来へ手渡す会」。
参加衆参国会議員十数名ほどの紹介と、主要者のあいさつ。河野太郎蓮舫山本太郎有田芳生、田村智子とかの若い議員が圧倒的に多く自民党員もいる超党派。協賛紹介議員も十数名。深くかかわってきた議員もいるが、多くは選挙演説状。ここで主催者から自筆署名7500人余り(要確)の請願状が手渡された。


この請願状のポイントは、ほぼ納得できる。
1)建設費は上限1000億円以内。維持管理費、ライフサイクルコストも考慮
2)歴史と景観を考慮。ヒートアイランド対策としても大きさと高さを抑える
3)開閉屋根はつけない
4)固定座席は5万席。あとは仮設でいろいろの人たちが使えるようにし維持しやすくする
5)VIP施設などは外国例に準じ縮小する
6)常設のサブトラックを設ける
7)JSC新社屋計画を見直す
8)totoの売り上げは使わない
9)霞が丘アパートは一部を回収保存、在住高齢者が住めるようにする
10)深い森の創出を実施
11)以上を踏まえ、各種専門家、市民、アスリートなどを含む第三者委員会を設置し、基本条件を作り直す


この後に、都営霞が丘アパートの住民代表の嘆願挨拶。続いて、ネット署名何万人かのデータが、内閣官房文科省の役人に渡された。
続いて、大学教授、建築家、弁護士らのリレートークがあった。
直接、印象に残ったのは東京建築士会会長の中村勉氏が開口一番、「困ったのは、安藤さんが(ザハ案の)デザインだけ検討したと言ったこと。我々は最初の提案でも、他のこと(構造、設備、コスト、工期、環境)も検討して提案している。これで設計士が誤解されたら困る」と言ったこと。会場からはしのび笑いが漏れた。
他の発言者は、大野秀敏(東大名誉教授)、原科幸彦(千葉商科大教授)、今川憲英(東京電機大教授)、日置雅晴(弁護士)、桑原洋一(千葉商大)、鈴木知幸(元2016年東京五輪招致推進担当課長)、森山高至(建築エコノミスト)。それぞれ抑えめの尤もらしい話だったというべきか、あまり印象にない。今川氏は学生に課題として与えて一緒にまとめたらしい、既存を活かした、移動解体可能な仮設スタンドの紹介をしていたが、伊東豊雄氏といい、自分の設計案を紹介するのに熱を入れている感じがある。設計条件の選定が先に立つとき、少々、厚かましくないとやれない状況である。
(思い出すことがあれば後述)