イマジなリスト●

「イマジナリストへの光」―で、何を言おうとしているのか?




新しい話題の創生に向けて

今年の内に、「デザイン・建築・都市環境、今が転換点」というテーマで討論の場を作る計画で動いている。このタイトルはもしかするとサブになり、メインを変えるかもしれない。今、考えているのが「イマジナリストへの光」というもの。
イマジナルという語は何か「成虫の」という動物学の世界の言葉(でもある)らしいが、イメージから発し、イマジナブル(想像できる(限りの))、イマジネイション、イマジネイティブ(想像力に富む)、イマジン(想像する)からして、イマジネイティブ・クリエイタ―の「和訳版」として使えるのではないかと思い仮に出してみたもの。多分、和性語である。


当デザイン協会の理事である木村戦太郎さんによると次のようになる。
 大倉さん、ご苦労さまです。
メール読みました。神田先生のメールの3,「デザイン・建築・都市、今が転換点」 ―変革期のイマジナル個業創生へ―が、面白い、興味深いと思いました。
イマジナルをネットで調べると
「 イマジナル(imaginal)という言葉はフランスのイスラム学者アンリ・コルバンが作った造語です。本来はイランのイスラム哲学で使われていた想像界(alam al-mithal)という言葉にコルバンがムンドゥス・イマジナリス(mundus imaginalis)という訳語をあてたことに由来します。
イマジナリスとは想像上(imaginary)ではなく、想像的(imaginal)という意味であることに大きな注意を払わなければなりません。自然科学的世界観によって、われわれ日本人もイマジナルなものを失ってしまいました。イマジナルな世界は知性のみでは理解することはできません。体で感じ、その中で生きることによってのみ、イマジナルな世界を知ることができます。」
 これだと我々にも理解出来そうだと思いました、如何でしょうか?


これなら行けるのではないか。そう思い、使いたくなった。
ただこのキャッチ・コピーはいささか文学的で、何の話だろう?と思われかねないし、まだ出席頂く神田順先生の合意も得てはいない。
ともかくも、企画案のコピーを掲載してみよう。まだまだ検討が必要だ。




NPO日本デザイン協会H27セミナー企画案20150727〜


「イマジナリストへの光」
―——デザイン・建築・都市環境、今が転換点――

イマジナリストとはイメージを大切に育てる人材のこととし、ここではデザイン一般に見るモノや対象空間の方に視線を向けるのでなく、人の方、特に日本人の感性や精神性を問題とし、主に視覚に関わる創造力の社会性をやさしく論じます。
明治より150年に至り、高度成長期社会を経て今や超高齢化、ネット社会化、格差化、地域・環境保全への喫緊課題などの解決に追い込まれています。これによって現状の産業と社会の構造のありかたに大きな変革を迫られていると実感されます。
その中で、この社会が輸入文化を咀嚼しつつも技術的知識主義に傾き、自閉的であったり定性的な感性を持つ人材が、意図的に軽視されてきたのではないか、ついでこのような人材こそ、これからの日本に必要なのではないかという推定の上で話題を進めます。サブ・テーマは従って、「変革期のイマジナルな《個を核とする事業》の社会化に向けて」と言ってもよいでしょう。本質的な話題を広く論じますので、ご参加をお待ちしています。


【参加討論者】 現在、調整中


【進行議題例】
オリンピック・エンブレム問題、新国立競技場問題にみるデザインの現在
自閉症」的な若者の方がセンスがいいのでは
 スティーブ・ジョブズは日本人でも可能か
「赤信号では車が来なくても渡らない」感じ方の根拠は教育か感性か
人間を、感覚を持つとしても計量可能なモノとして把握されてきた社会の今後
技術主義と明治150年に見る日本人の感性
個としての創造性を社会システムの載せる方法とは
社会的システムとしてのデザイン・建築の融合の可能性


主催:NPO日本デザイン協会(JDA)共催などについては協議中
場所:(公財)日本デザイン振興会(港区六本木ミッドタウン)に相談中




ここで議題の中に「自閉症」と出てきたことに気づかれたかもしれない。
実は数日前に、NHKの「スーパープレゼン」でこの問題を扱って有名になったテンプル・グランディンという女性のプレゼンがあって、偶然のため後半の10分くらいしか見れなかったが、ピンときた。そこから、今まで医療用語と思ってきた自閉症アスペルガー症候群という概念を、もっと引き込んでもいいと思い始めたのだ。特に「自閉症の子供や青年をITの仕事につけさせろ」というテンプルの叫びは共感を覚えた。
「イマジナリストへの光」とは、言い換えれば、自閉症持ちの人間の復権のことを言っているとも言えるのだ。
改めて、このビデオを見た。
ホーム・ページからの伊藤穣一氏の解説をそのまま転用するのは許可さているのかどうか知らないが、出所を明らかにするので可能と考え、転記する。



自閉症の人たちに才能を発揮してもらうために

テンプル・グランディンは、アメリカのタイム誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」に選ばれるくらい有名な、動物の研究者で、われわれMITの研究者の間でとても人気がある人です。

プレゼンテーションのタイトルは「The world needs all kinds of minds」です。mindsは、心、精神と訳されることが多いですが、この文脈では頭脳、知性と訳すべきでしょう。「世界にはいろいろな種類の頭脳が必要だ」という意味です。

彼女は、自閉症の人たちについて「得意なことと苦手なことがはっきりしている」と説明をしていました。実は、わたしのいるMITでも、自閉症と診断されている学生はたくさんいます。

自閉症の人たちの才能をどうやって引き出すかというのは重要な課題です。一人ひとりきめ細かく助言・指導して、彼らに自信をつけてもらい、能力を発揮できる仕事と出会えるようにサポートすることは、わたしの仕事のなかでも重要なことのひとつだと思っています。

こうした人たちに対して、学校などのシステムのなかで、どのように能力を引き出して、彼らの不得意なところを補いながら、その能力で世の中に貢献してもらうようにできるか?これは、これからのわれわれの社会において重要な課題だと思います。 」


(この後、追記の必要あれば加える)