H@グローカル建築を考える

【情報】【家づくり】 review 2015/03/03


グローカル建築って何だ?


グローカルとは、グローバルとローカルを組み合わせた言葉だろう。

対談シリーズで、3人の設計者に今季からのデザイン部会長連(むらじ)さんが進行し、コメントし、質問した。(JIAデザイン部会、12月6日)

以下の建築設計の若手が語った。
うーん、若い人たちっていいな。
3人とも、実に話が出来る。とても頼もしい。

取りあえず、名前だけあげておいて、後で補足します。

河井敏明君:京大卒、同大非常勤講師。94〜95年イギリスAAスクール。上京(かみぎょう)のデイケアセンター、春日野道の家、四条木製ビル(2009京都デザイン大賞)など。

田口知子さん:東大卒、長谷川逸子建築計画工房勤務後独立。日大、東京理科大で非常勤講師。武蔵小山アパートメント(JIA優秀建築選2008)、CIRCURATION HOUSE(建築士会住宅セレクション優秀賞)など。

田島則行君:工学院大卒。AAスクール大学院修了。C−MA3(JCDデザイン優秀賞、JIA優秀建築選2005)、Esq広尾(グッドデザイン賞、JIA優秀建築選2008)など。


今回はメモをとっていないので、誰が何を言ったかは、いささか定かではないが、以下のような話だった。
場所には「地霊」があり、その声をしっかり聞いて設計すべきだ。
その場所の風の流れや光の当たり具合を読み込んで設計する。
生まれも育ちも東京では、地域性の取り込みなど考えたこともないが、その土地の持つ属性は十分意識している。
地域の住民との連携の中に、まちづくりの可能性があり、それを実践している。


連さんがデザイン部会で進めている「プロセスの意味とヴァナキュラー性」シリーズの4回目で、「グローカル建築を考える」は今回のタイトル。
それにしても建築設計の本質問題だが、カタカナ用語が分かりにくい。
「ヴァナキュラー性」とは地域、地域にある、その土地独特の風俗、習性、環境といったものを設計の中心手法にするかんがえ方から出てきたものだろうが、言ってみれば、近代化による無国籍建築の氾濫の後に、当然生まれてきたかんがえ方で、いまでは新しいことでもない。その結果、グローバルでローカルな建築の時代にもなっているわけだ。
よく言われるのは、これを崩して「シンク・グローバリィ、アクト・ローカリィ」ということだが、逆もある。「シンク・ローカリィ、アクト・グローバリィ」と。


住宅などを設計する場合、そこに聞こえる「地霊」を読み取ることが一番大切、ということには異存がない。ただ、聞こえても、地域環境の諸条件によって、それをどう表現するのか、そしてその表現能力によっては、聞こえていてもなにも活かしてあげられないということにもなってしまう。


彼らは自分の仕事を通して、それをどう解決したのか、見せようとした。
うまく解決していたようだが、その表現はまさしく「グローカル」だった。




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