世界から注目、日本の大震災

【情報】


何を書き始めても、この未曽有の大震災の顛末になってしまう昨日、今日ですが、ここしばらくの記載無しには事情がありました。

10日から南米はブラジルに行っていたのです。
ブラジルの話は後でします。


リオでホテルについたら、トップニュースで川のように住宅や車を押し流している津波の映像を流していてこの震災の実態を知りました。
帰って来たのが18日ですから、ちょうど震災を予知していて逃げたような印象も与えかねません。

リオで移動中に、イスラエルの観光客からおくやみを言われ、この震災が世界的に注目されていることが実感されました。経由地のヒューストンで見たテレビ番組でも、科学者にいろいろインタービュウが行われ、日本からの放射能塵の飛来図まで示され、すでに自国の安全問題にまでなているようでした。

不在時にミラノの深澤さん、勤務していた設計事務所バルトリデュッセルドルフ在住のセルジョからメールがありました。以下に深澤さんのメールを転載します。


大倉様
お家族の皆様ともどもお元気なことと存じます。
えらいことになりました。

こちらでは、毎日ニュ−スのトップで日本の大地震が放送されています。
東京もかなりの揺れがあったよう聞いております。

こちらのマスコミの注意は原発の事故、とその行方に向かっています。
イタリア政府はこの一、二年、80年代に放棄した原発を復活させる方向に舵を切りました。
政治的に緑の党などの環境問題提議を抑えてのことで、イタリアのみならずEU全体でも原発の安全性に対し議論が巻き起こっています。

その時の映像を見ながら言葉はありません。ある感動に息を呑むだけです。
まるで三陸の町々はまるで被爆した広島の街のようです。全ては瓦礫になりました。

常々、日本人の精神のベ−スにはシニズモやニヒリズモがあると感じていました。
それが何処から来るのか解ったようです。

それにしても、このような悲惨にあっても、節度を持ち冷静に対処している人々をこちらの人々は称賛しています。

日本は常に在る意味では文明の最前線に位置し常にそれを試されています。原爆、復興、公害、バブル、不況、そして今回の大地震原発事故。しかし必ずや日本はそれを乗越えることと思います。

諦観的な見方かも知れませんが、逆説的にいえば新しい発芽、再生には破壊が関係するかも知れません。
我々の世界、太陽系、地球、この身体は宇宙の破壊された星屑、原子から出来ているそうです。
多くの亡くなられた方々の冥福を祈ります。


去年から今年にかけて日本の凋落が大いに論じられましたが、ある量的側面のみの論調でなかったでしょうか。
これだけ色々なオーガニゼーションが出来ている国が世界にどれほどあるのでしょう。
今回の地震に対し発揮した、耐震構造の徹底、避難訓練の徹底など表面には見えない国としての高いグレ−ドを感じます。
そして日本人はこのような危機に対しより団結し非常な力を発揮する民族であると思います。
ある意味では、ヨ−ロッパは天変地異の天災からと云うより人災、政治、為政、宗教と言った所から問題が広がる国々だと感じます。


深澤正篤