世界はますます狭く、日本は追い込められて
【論】
安藤さん、「そろそろ」いい加減にしてよ
震災復興構想会議とかの議長代理に安藤忠雄氏がなったと、今日、聞いた。
ちょうどBSフジテレビの「プライムニュース」に出演していたので、途中からだが彼の意見を聞くことが出来た。
「鎮魂の森」を主題にしているようで、話の内容がおかしいわけではない。
彼のもったいぶらない発言態度も、好感を得ているのだろう。
逆にいうと、つまらなく社会人として下手な建築家が多すぎるということだろう。
関西大震災時も活躍した様だし、いみじくも彼自身が言っていたように「…普通の建築家は芸術家で出たがらない、私は芸術家ではないからこうやって…」というところで、彼らしいキャラクターが実務派活動家として、こういう場に相応しそうだとも言える。
それでも、なぜいつも安藤さんなのかはやはり疑問が残る。
自分が芸術家ではないといいつつも、学生模型のような「造形作品」を創っているのでは(失礼、言い過ぎか)、何と言われても反論はできまい。
彼が悪いのではなく、本当に安藤しか取り出せないマスコミや政財界人が問題なのだろう。
それを知れば、いつも彼がなぜ自分のことしか言わないのかは気になるところだ。
彼が言わなければ、そこにある問題はマスコミや一般は気がつかない。
彼自身が孤軍奮闘してそれなりの仕事を残して来たのだから、建築家実務の本懐は十分知っているはずだ。
彼は場合によっては、建築家の鏡のようにされてしまった以上、同業者の窮状を説明し仲間を引きこむ責任が生じている、と思うのは私だけだろうか。
実務能力のある同業の中堅や若者を、「彼らだって、自分に代わってもやれる。それは沢山いる」と、広くあまねく紹介すべき立場にいるのだ、と思わずにはいられない。
【情報】
北京、ミラノから
北京、済南(山東省)から帰った途端に、思慮深く考えを語るのは難しい。
あえて印象を言えば、ますます前進する中国、一方何か泣きたくなるような日本の現状、ということか。
全く無関係のようなことを例に出すと、昨夜、北京のホテルで夜中にテレビを廻していたら、あるチャンネルでビリヤードの世界選手権試合らしいのを中継していた。時々CMは入るが、延々2時間くらい放映してる。やらないけれど関心があるのでついつい見てしまったが、日本ではどこかでやっている? 掛けごとの好きな国民性とは聞いているが、豊かだ、という印象は伝わってくる。
ゲストを呼んで、その人物の経歴を振り返る番組も、イメージとしてしばし流しで見たが、内容が豊かで上品そうだった。対談相手の女性も美しい。
テレビメディアが国民の顔だとすれば、お笑い番組ばかりの印象の強い日本より先に行き始めた? そんな印象を持った。
北京や海岸線に近い街(山東半島の中心地、済南市などでさえ)にいる限り、日本の高度成長期にあった、あの豊かな熱気が伝わってくるようだ。
本当に最先端では、毎年、毎年、レベルアップし、現在の日本を越え始めているのが実感出来る。それは仕事がモノや空間という視覚に関わるからだろう、と言われればそれまでだが。
一方、お馴染みの深澤さんから、意味深なメール到着。
一部割愛, わかり易くするために修正させて頂いて転載する。
大倉様
ご無沙汰しております。
大変大変お世話様です。
ブログ拝見いたしました。有難うございます。
ミラノは例年の家具サロンが4月12日から昨日17日までありました。
市内展は400もあり一頃に比べ大変増えました。
やはりミラノはデザインのメッカと云うことが出来ると思います。
多発する余震や原発問題お察しいたします。
大地震から一ヶ月以上経ちこちらでのそのニュ−スは少しずつ減ってきました。
原発問題一時はヒステリ−気味であったわけですが・・・・・
又、こちらのマスコミはどちらかと言うと、事を単純化し解決へのポジティブなニュ−スをまめに報道しない所があり、このために日本が破局に向かっているような感じを与えるような所もありました。
今日18日付けの新聞 CORRIERE DELLA SERA(コリエ−レ・デラ・セ−ラ)一面にヒラリ−・クリントンと天皇との握手の写真が載っています。
中国上海発で記事を書いています。しけた新聞社だな−。経費節減なのでしょう、東京に特派員を常駐させていません。イタリアの事件をパリ発やベルリン発で記事を載せたらおかしな感じですよね。
すでにお話したように、イタリアは相変わらず政治・経済が、がたがたしております。
現在、フランスと移民政策をめぐり揉めています。
今年の1月あたりからシチリアの南の島ランペドゥ−サ(チュニジアから約110Km)に漁船でチュニジアの難民が押し寄せるようになり、密入国者は計29000人ほどになりました。政治的に革命を起こした若者が国を捨てイタリアに押し寄せているわけです。
職を求めてやフランスやドイツにいる家族や親戚に・・・との事。しかし民主化の革命時、チュニジアの刑務所は開け放され、かなりの犯罪者の逃亡があるのではと、危険視されています。
又、船での密入国はそれを商売とするオーガナイザ−の存在が指摘されています。
イタリア政府は4月5日付けでその後やって来た人々を飛行機で送り返しています。(一日2便で計60人)
5日以前に着いた密入国者は、イタリア中あちこちの難民テント場に収容(すでにそこから逃亡した人々も多数)。
内務省は6ケ月間の滞在許可カ−ド(EU圏内を自由に移動出来る)を与え出しました。
これに自国にすでに何百万の世界からの難民を受け入れているフランスとドイツなどが待ったを掛け、外交問題になっています。滞在許可カ−ドはパスポ−トとある生活費を持っている者に限るというわけです。
イタリア国内ではジプシ−達の立ち退きを強烈に進めている現政権が、戦争でもない国からの若者の密入国者へ許可カ−ドを出すわけで、一貫性がありません。どうも分裂しています。寛大であるとも言えますが、曖昧さがあり明確ではありません。
イタリアの友達に「原発問題で日本は大変だな… 汚染水を海に流したり… イタリアは建設的ポジティブなニュ−スを知らせないからナ−、問題だよ。情報に偏向性があるよ。日本はもうすでに2回も被爆で免疫があるからナ−、強いよ!」と言われました。
私の無知をさらけ出しますが、色々細かい所はわかりませんが、放射線が消滅するまで80年とか、無耗の地になるとか。
だけど広島や長崎が被爆から何年経ちました。その間、人が1人も住まなかったのでしょうか。
だから汚染を撒き散らしても問題は無いのだと言う訳ではありません。
現地の被害に遭われた人々のご苦労を思い計ります。
それとは違うところで、疑問に感じたことは、原子力安全保安委なるものが、何か適切なアドバイスを東電にしていない様な感じを受けました。
たとえば、爆発を防ぐため釜の中に窒素ガスを入れるべきとかアメリカの当局者に言われる前に指示すべき。
あと具体的にこれをやりそして次にこうしてと具体的に終結に向けて広報を外国のプレスに対しても説明が必要と感じます。
3月27日付けニュ−ヨ−ク・タイムズに日本は過去の津波の研究に基づいてあらかじめ津波の高さの上限を決めてかかっていた。との記事が出たそうですが、日本のメ−カ−は米ゼネラル・エレクトリック社(GE)から新しい技術、設計、ノウハウを買ったわけですね、今回の事故の責任問題はまったくGEに無いのでしょうか。
これは想像ですが、新しい文明の利器に対し、優等生日本ゆえ言われたとおりに造るところは在ったと感じますが。そしてロ−ヤリティ−を払ったことと思います。
その点、政府はどのように認識しているのでしょうか。(アメリカから今回の問題に対し多大な援助協力を受けているわけですが)。表立ってこの事を書いた記事は見たことはありません。自動車の欠陥車問題はアメリカで大いに問題になりますが。天災下におけるプラント設計の欠陥点問題はどうでしょう。
あとこれは、何たることかと感じたのですが、アメリカやフランス、ドイツがロボットを提供。日本はロボット王国ではなかったのですね。
要は、お愛想にピアノを弾いたり踊りの出来る物は開発したが、肝心な時に使えるロボットが一台も日本に無かったのはおかしいです。
やはり幻想平和な国日本がベ−スになっていたのですね。
今回の事故は国の安全保障問題でもあるわけですね。
深澤正篤