続きでもう一度、紙上イタリアへ

【日記】


想いは深まる


来る直近の連休明け、9月24日(火)夜、イタリア文化に詳しい陣内秀信さんをお呼びして私とクロス・トークをすることになっていますが(関心ある方は7月12日の本ブログご参照)、本日の彼からの連絡では、この夏にあちこちのイタリアの町を訪ねたので、最新情報を紹介出来るとの事。
主題はもちろん「日本人」にあるのですが、その日本人の視点から見た現在のイタリアというイントロです。楽しみです。(関心ある方はoffice@japan-design.or.jpまたはFAX:03-3444-1573へ)
考えて見れば、なぜこうもイタリアの生活と文化が取りざたされるのか、不思議ですね。その根拠を探っていくことになるのですが、国民性の問題になってきそうです。


そこに合わせるかのように、深澤さんから「言い足りていない」と再メールが来ています。9月12日のミラノからのメール紹介の後のことです。
彼も在伊がかくも長くなると(何年になる? 35年位?)、愛憎の情も人知れずどんどん深まっているように感じられます。また日本へのじれったい思いも伝わってきます。そういう観点からは、よく気持ちが表現されているのではないでしょうか。続きを掲載します。



どうもお世話様です。
大倉さんのブログに掲載、大変ありがとうございます。
説明不足な面も在りますので続きをお送りしたい思います。
どうも僭越で失礼いたします・



大倉様


しかし、しかしイタリアは豊かなのです。たとえば、言われることはイタリアにおいて74%の家族が持ち家があり、そしてかなりの家族が別荘を持っています。海と山にと2つある事も珍しくは無いのです。バカンスに兄弟や親戚の別荘に1週間や2週間は滞在します・・・しかし別荘と言いましてもピンからキリまであり、離村の古いアパ−トやら、農家の納屋を自分で改装など色々なケ−スがあります。
要はイタリア人の半数はかなり良い暮らしぶりだと言われ、他の半数はより貧しくなった言われます。経営の悪化や倒産、失業の結果です。
其の会社や人々をどう救済するかが今の政府の緊急の課題です。


風光明媚にして料理食事はおいしく、都市ごとの特徴、歴史、芸術文化、文化の多様さを持ち、日本などと比べイタリアは特にすばらしい領域の景観をまだ維持しています。学ぶべきところは多いです。その為政者のバランス感覚はすばらしいと思います。


しかし総論的な述べ方ですが、イタリア人の国民性の1つである各々の個人主義が進み、各々のエゴイズムになりますと、社会機能の動脈硬化でお互いの脚を引っ張り合う社会になり、多大な時間のロスが在る社会になります。
政党間の対立は激しく、事は進みません。国がばらばらになる危険性を常に内包するゆえ、大統領が常に国民の結合一致を訴えます。
法律条例を刻々と変える(単なる技術改良の問題と思われることも多いのですが、すぐには進展しません)ことや、何か、より複雑にすることがインテリジェンスのある事、との意識があるのかも知れません。これらはロ−マ時代からのイタリア人の気質と思える所があります。他面、俗に言いますと、イタリア人にはどんなことでも殆ど不可能なことは無く、最低なことや最高なことを成せる能力を有する人々と言えるかも知れません。


話題は日本に飛びますが、歴史都市としての世界遺産に立候補した鎌倉が落選したそうですね。理由は古い町並みが殆ど残っていないからだそうですね。残念ですが、木造建築は保存の物理的問題はありますが残す努力をしないと消えますね。日本は地震も台風もありますが何とかなりませんでしょうか。古い町並みは保存すべきです。それは其の地方の人々の歴史証明であり形です。無くなれば我々が何処から来たのか解らなくなりますね。
これは伝統を尊重することであり、学校での教育でもありましょう。その町並みは、アメリカでもなし、フランスでも中国でもないことが大事ですね。そして日本中、電信柱は地下に埋めてもらいたいものです。
勝手な物言いお許しください。


深澤正篤