D@経済人と文化人の魁離

【論】  追記あり●から



経済人と文化人と区別がつけられるほど、この二つが、かなり決定的に魁離しているのが日本である。


経済人とは、カネとその流れをベースに社会の組み立てを考えている人々ということだから、財界、企業経営者はもちろん、エコノミスト、経済・商学系の学者、経済ジャーナリスト、更には多くの政治家も含まれてしまうだろう。
一方、文化人とは、人文系学、文藝から工芸に至るいろいろな学者・作家・芸術家・芸能人・音楽家・俳優などになるが、何かを個人で持っているためにまとまりにくく、勝手でもある。


両者の間にほとんど言っていいほど本質的な接点がないのが日本の社会であると感じて久しい。


●では建築家やデザイナーはどうなのか。これが本題であるが、もう少し実情を見ていこう。
以上の魁離からすれば、感性的に誠実なほど両者の間で引き裂かれていると言えよう。
両方を統合するなんて出来ない。出来ると思ったのが夢だったのだ。
出来ると思ったのは、ペーパー上の空論だからだ。
何よりも経済人は文化の経済性を知らない。一方、文化人は経済に疎すぎる。
簡単に言うと、そういうことだ。


で、どうするかというと、両方のそれぞれの立場を承知して、それぞれにとって他が必要であることを認めて利用し合う、という互恵関係を作ることだ。
認めるからには、それぞれの言う経済価値も認めて対価を払う、ということにならねばならない。


それが簡単にゆくはずがない。日本はこれから50年はかけてこの問題にとり組むしかない。