実感できないままの被災地の現実

【日記】●追記あり:30日●  ●●さらに追加あり:12月8日●●

知りえない実感の世界を知る


さる食事会の夜の話。
各界のキャリアマンが20人くらい集まって、自分の話をする。
聞いていて、どうしてもここに書いておきたくなった話があった。
東日本の被災地の、表に出ない現状である。

あまりにリアルなので、話し手のこの名ジャーナリストも言っているように、出所は明かせない。
教えてくれた、覆面座談会での発言記録を簡略化しながら、言いっ放し風に編集すると…。



今だって死んでいる人がいっぱいいる。ノイローゼからだ。仮の家に帰ったって嫁もいない。子供もいない。帰りたくない。90才の婆さんをを助けている横で、妻が波にさらわれた現場の悪夢などにうなされてアルコール漬けになる、など。ある市のデータでは、被災当日の死者行方不明が1万人弱。その後の二次災害での死者が4000人近く。


今なお、被災地の復興率はたったの8%。
進まないのは不正がまかり通っているから。
国はネットで生コン業者を期間限定で募集したが、応募したら「県内で生コンの製造、経営に携わった企業や業者」となっていて、国の出先機関の県や土木事務所と怪しげな組と組んでいるから、どうしようもない。黒い人たちが組織の顧問などになっている。特定業者だけがボロ儲け。カネは出ているけれど、家を建てたいと頼むと、砂利がない、砂がないとウソを言われるカラクリがある。汚職、ワイロはすごい。奴らは仕事と称して、毎日、飲み食い、旅行、高級クラブと遊んでいる。その結果が8%。


「東北人は人が良すぎる」
東京に行くと、何事もなかったような街の風景。まさしく、3・11は風化している。





こんな話が聞けるのも、信頼を得たサークル企画女性がいるからだろう。
このジャーナリストが言っていたように、現在の日本の巨大メディアは、こういう報道をしない。最近の記者は、30倍とかいう採用試験に受かって正社員となれば規定されたこと以上のバカはやらないからだ。最近の首相にまで組み付いて来た、元現役ジャーナリストによる自分の畑の現状への言い分だけに迫力があった。
ここにこそ、大きな問題があるのだと思う。


●こんな話を家族にしたら息子が、仮設住宅に入っている人たちは、かなり貰っている。このため、働くなって遊んでばかりいるやつもたくさんいると聞いている。父さんの話は、だから全体の中で、その比重が大きいということだろ?と言われた●


●●現在の日本の危機と言われるものに、いくつかある。それは以下のようなものだろう。
1・人口減がもたらす問題…地方の消滅。人手不足。外国人労働者問題
2・経済政策…アベノミックスの行方…消費増税社会保障政策、規制緩和
3・超高齢化社会がもたらす問題…社会保障への政策失敗がもたらすもの
4・外交政策
5・教育、文化問題。
このうちの2、4は、意見はあるにせよ専門外だ。5は十八番の問題だが長期的視野で論ずべき問題だろう。それに引き替え、1、3は設計職業にも大きく関わる。

ここから考えると、東北の悲惨もこれらに関わらないわけはないはずだ。
実際に、材料費と人件費の大幅アップで、さらに人手がまったく足りない現在、利益の出ない中小施設や、個人住宅までやっている余裕はない(新築や改修の工事のこと)、というのが現実だろう。
一方で介護施設の不備、不足から、東北だけでなく、日本中に高齢者の悲惨な現実が急増している様子が見えている。サービス付高齢者向け住宅(サ高住)の建設が急増、「お泊りディ」という介護サービスに中古住宅が利用されているが、設備などは問題が多い。利益が優先され、介護老人の扱いの問題がすべてとなれば、建築家などの出番はわずかしかなくなる。●●






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