頑張っている隈さん

くまのもの展見学


コンクリートとガラスが造った都市の硬さを嫌って、あらゆる素材によるファサードと構造の可能性を追ってみた、というブレゼだろう。「負ける建築」を標榜してきた彼らしい表現だと思い、好感を抱く。
でもちよっと、デザインスクールの発表会的ですね。
木の素材に見るように、優しさ、柔らかさを大切にしている点は評価できるが、ビニールでパーティション用(多分)までとなると、そこまでやらなければならないの? という気になりますね。今回展の主題とも見える、可能素材全部による全体チャート作成のためだろうか。
もう一つ、気掛りなのが、各提案の素材としての耐久性とメンテナンスの問題。


最近の隈さんの活躍は凄い。何か、あらゆるコンペを総取りしてしまっているかのよう。邪推かもしれないが、スターになると、考えもせず押し掛けるクライアント体質、あるいはそれに迎合する審査員団というように、この国の姿(今では外国もそうか)がまた露わになったようにも思える。
大学(東大)で教えていて、若い建築家志望者が行き詰っている。何とかしなければ、とも語っていることでは共有していることを考えると、なにか方法はないですかね。
余計なお世話だけれど、コンペでないものは建築希望主にも話して、名義と物件を公開応募に回してあげるとか、ということはうまくいかないのだろうか。
建築設計界(アトリエ系)から見れば、一強全弱ではなくても、数強大多数弱は決定的になっているだろう。社会貢献度の高い職業のうちで、格差化がこんなに進んでいる分野って、他にもあるのだろうか。個人の創造的能力評価が、この国の未来のために大きな話題になっているこの時代に。












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