ばかばかしい空騒ぎ
Mona Yamamoto phenomenon
(またまた、気休めの話題)
この女性、山本モナに縁があるわけではない。
夜の空騒ぎ番組で時々、見てきただけだ。
ただバカではない大人の色気は持っていて、数少ないタレントだとは思ってきた。
恐ろしいことに、みんなこのラブホ事件のことを知っていた。
最初に知ったのは過日、サンデー・スクランブルを流し見ていたら、テリー伊藤が石原都知事へのインタービュウで、この話を持ち出したからだ。
都知事は「誰、この人?」「いくつなの」などと聞いていた。
後からスタジオでは黒鉄ひろし(名前再確認)が、「この話題はもうやめよう」といって、打ち消されていた。
その後、あちこちからの風聞で、所属会社の関係者が謝ってまわったとか、あれこれの番組を降ろされたとか、モナはもう終わりだとか、魔性の女だとか、二岡が又もや1軍昇格見送りになったとか、しっかりしろとか、ついにはモナがおバカユニット「羞恥心」のメンバーにもモーションを掛けていて皆困っていた、などとの情報だ。
ここで書くようなことでは無いけれど、本当に「どうでもいいじゃない?」と言いたい。逆説めくが、そのために書いている。もちろん、下世話情報が世人のストレス解消に必要だろうから、その話題に組して、ああだ、こうだということ自体が下らない、ということは十分承知の上だ。
もっとも、モナはラブホに行ったのは二岡の誘惑であるとか、お茶を飲んだだけだとか、弁明に努めていたらしいが、これも大変みっともない。その前に、「もうしません」とかも言ったようだが、これもそう言わなければ復帰できなかったからだろうが何とかしろと言いたい。
彼女は正々堂々と開き直るべきだったのだ。
だいたいこのような次元の話題が、さも大事件のように取り上げられること自体が、この国の貧しさを表わしている。
モナが男を欲していたとしても何もやましい所は無い。男がそれに答えたとしてもそのこと自体は起りうる。
日本人が問題にするのは周囲を気にするからである。所属事務所はスポンサーのご機嫌取りから、これはまずいと思い、スポンサーは公器であるテレビメディアに出している以上、一般の顰蹙は買いたくないと思う。つまり「ではないか」という世論に気兼ねして、すべてが否定側に廻る。
そうして公知されると、世論は「ひどい女、バカな女」の大合唱になる。
実際、芸能界とは古色蒼然たるところらしく、所属事務所や「目上」に逆らうとこの世界では生きていけなくなるらしい。企業、官僚社会でも同じことか。ここに日本社会の恥部がある。
そういう意味ではモナは無防備だったのだろうが、「しがらみ」が個人の愛や性の主体性まで規制してかかるのは、もともと個人についての主体性のないこの国が、やはり建前、アメリカ型の真似だということを表わしているのだろう。それならまだ判るが、非難している本人が昼の建前、夜の本音で生きているんじゃ、外国人にはとんと分からない。
もちろん、ゴシップ雑誌が取り上げるとしても、イタリアやフランスでは全く問題にならないだろう。