「欧州のエネルギー自立地区」

【日記】



向井周太郎さんの続きになるはずだが、あまりの暑さに頭が変になりそう。自分の考えを語る一節を最後に設けたいのだが、一回飛ばそう。




「欧州のエネルギー自立地区」というセミナーに参加(14日、日本建築家協会JIA環境行動ラボ主催)。
主役は村上敦、滝川薫の2氏。
村上氏はフライブルグ在住のジャーナリスト。執筆、講演などでドイツの環境政策、エネルギー政策、都市計画制度を日本に紹介している。
滝川さんはスイスを拠点に環境、エネルギー、建築をテーマに執筆、視察案内、講演を行い、庭園設計にも関わる。
ナチュラル・サステイナブルを探している彦根アンドレアさん、モデレーターの白江龍三氏(共に建築家)も加わっている。


結論的な印象は、ドイツ、オーストリア、スイスの国境付近の村ならではの発想と行動力の発揮と見えた。やはり谷合いの山里では、近隣との協力の不可避、政府を当てに出来ないなどの条件が、自分たちの生活を自分たちでみるという心理に走らせるのだと思われる。
しかしそのことで、大都市では難しいという話にもっていくつもりはない。あくまでこれらの実践記録は、今後の地域のエネルギー開発に役立って行くに違いない。それはそのまま地域主権の確立という下地も準備することになるだろう。


内容は実地ケースの紹介につけて、事の起こり、地域の活動経過、発電容量や方法、受注の経過、メンテナンスや事業者の問題、初期投資や事業費用、投資対効果など細かく専門的で多岐に渡った。


心に残った言葉は:
・「エネルギー自立」とは、再生可能なエネルギーで、自分たちの地域で「廻す」ことができる、ことを意味する。
・(電力買取制度があることがベースだが)住民(の意ある者たち)がみずからカネを出さないと駄目。
・誰のカネで施設やシステムを造ったかが、はっきりわかることが大切。
・自分たちの資源と考えることが大切。そのためには「資金参加させろ」という意欲と行動も。


日本では地方条例など各種の法規制や、政官財の人間関係から、うまくいかないところもたくさんあるだろう。しかし、こういう若者がどんどん出てきて報告し、日本の現状に光を与えてくれるようになったのは喜ばしいことだ。
この方は僕の専門になりそうもないが、最後にあいさつしたラボ代表の野沢正光さんの話がよかった。終ってから、「このラボがJIAの中核事業に育ってもいいんじゃないか」と褒めてきた。