座・高円寺館長と話す

【日記】



座・高円寺館長と話す(13日)


劇場型ホールの使い方、運営には難しいものがある。
特にこの国では、演劇への関心度が高まっているとはいえ、やはり専門家集団とその取り巻きの間から離れた市場が拡大しているようには思えない。


東京のJR中央線にある高円寺から歩いて5分にあり、小ホール(各約300人席)を2つ持っている、ここの桑谷館長も、市場が求めて満足する企画と、劇場が企画して出す演劇とのミスマッチが多いとのことだった。
この世界は、マーケットリサーチをして出し物を計画するところまでは行っていないようだ。アメリカの映画制作のプロデューサーのような職業も、それを担えるトータルな能力を持った人材も育っていないようだ。


区が施設維持基本料金と、運営費の3割を持ってくれていて、その残りの7割(約7000万/年とか)を稼ぎ出しているとか。それでやっとにしても、日本の劇場にしては成功している例のようだ。常勤スタッフが30人、裏方などの非常勤が30人、計約60人がこの劇場を支えているという。これらの人たちには、半日の作業でも一日分の日当を払わなければならない。やはり相当に人件費産業なのだ。


そこで何をして未来に繋げているかと言えば、桑谷さんは小・中学校に出かけて劇を打ち、子供たちを取り込み、将来の劇場大好き人間を育てる長い息のかかった仕事に賭けているとのことだ。
こういうプロの努力が報われるように願ってやまない。