山梨知彦さんに逢ったこと

【日記】


日建設計の雄:山梨知彦さんとしばし雑談する機会があった。



建築設計者ならほとんど知っていると思うが、最近話題の国内の大きい建築に以下のものがあり、その全部が日建設計であり、主担当が山梨さんだった。

木材会館―内外装に木材を大量に使用。ビルに木が使えるんだ、と大きな話題に。
ホキ美術館―とんでもない長さの角型筒の持ち出しと壁下からの採光で話題に。
ソニーシティ大崎―壁面に水の流れる陶製の管をすだれ状に並べ、放熱効果を高めた環境にやさしいオフイス・ビルとして話題に。


僕よりだいぶ若い53才か。油の乗っているところ。じつは大学の後輩で、そのことと当方のコース違いからの発進で話題を進める。
彼の考えの中にプロダクトデザイン的なところがかなりあり、それを指摘すると「そうなんですよ」と。

例えば、木材を出来るだけ工事現場にも持ち込み易い均等スパン(長さ)にして、全館で同じ部材を使っていく、とか、陶管についても、メンテナンスや自然からの影響対策(水流、埃、接続=シーリングと劣化対策、日影など)を細部にわたって部品チェックのように検討しているとかだ。
これは何もプロダクト・デザイン的というにとどまらない。意ある建築家が、ディテールや新素材で勝負してきたのはすでに明らかだ。


それはもちろんだが、木材の劣化を読み込んでのビル建材利用には、「やってくれましたね」との賛同が伴う。
東京を訪れる外国人が、街にもっと木の使用が多いのかと思ったのに、というのを聞いていて何とかしたいと思ったという。
(後述追記)