「樹をめぐる物語ーフランスの風景ー」展

関わるJIA(日本建築家協会)港地域会のセミナーが6月4日(土)2時からあります。そのためのチラシ用各人テーマ解説原稿を担当者に送ったメールの転載です。
今回のテーマは「都市の看板・広告をどうする」。



『 皆様へ

 過日、西新宿の損保ジャパンビルへ。車で行ったら一般駐車場は下へ下へと地下5階。ところが、ここからの美術館案内が見あたらない!
何とかエレベーターを乗り継いで42階に昇ると、足元の歌舞伎町は、言うのは悪いが混成ゴミのよう。地震のことを思うと本当に怖くなり、早く逃げたくなった。
「樹をめぐる物語ーフランスの風景ー」展を見るためだったのだが、この極度の心理コントラストは一体何だろう? 樹木が教える人間への癒し効果と、それらを箱詰め展示しているこの場が教える恐怖感。それらは混ざりようもなく、現代人の不安を拡大させる。


以下、原稿です。すみませんが260字ほどになっています。


屋外広告は地域住民の「顔」そのもの。やることはいくらでもあるが、景観は個々の広告相手だけではとても片付かないし、一方で個々の広告の字体、色、レイアウト、素材、取り付け位置の細部まで、そのセンスが気になる。見る方にしても、「もっと判りやすい看板に(ということは大きく、派手に)」とか、「この角度から見えるようにつけて」というような注文さえあろう。
「本質的には」、広告、看板のコントロールは、思うようには出来ない。地域住民の文化度がそれを許す限りのことはやってしまうからだ。それを指導するには、長期に渡り、かなりの総合的視野と感性の揃った行政委員会構成、それに強制力を必要とする。』




「樹をめぐる物語ーフランスの風景ー」展は良かった。
さっき、整理中の本から出てきたブルーノ・ムナーリの著書をめくっていたら、アメリカにはカミーユ・コロー作とする絵画が10000点もあるんだそうな。本人が描いたのでもその数分の一だろうから、いかにコピーが多いかがわかるとともに、改めてコローのこと(偉大さ)を思ってしまった。この展覧会にも一点出ている。