反戦への祈り

(夏休みでしばしブログを離れたことをお詫びします)


川村康一さんから、忘れられない戦時中の体験を、そして現在の思いを伝えられた。具体的な被爆の体験があるのは、やはり先輩だなァ。




大倉さま
お元気のことと思っています。


数日前NHKテレビのシリーズで先の戦争の記録を見ました。
戦争は心底恐ろしいものだと感じます。ボクも10年早く生まれていたら、兵隊にとられ死んでいたかもしれません。
両親とも東京生まれだったので田舎はなく疎開せず、学童疎開には親の意向で参加せず、父は身体が弱く兵役を免れ、家族で目黒にあった家で暮らしていました。


空襲警報が発せられると、家の縁の下を掘り下げた防空ごうの中に入りました。
それでも危険が迫り、逃げろ!の指令で、防空ごうから跳び出し、B29を見上げたのをよく覚えています。
近所は焼け野原になりましたが我が家は大丈夫でした。幼かったからか恐怖心はありませんでした。


軍国主義は権力者によってリードされたものとテレビからは理解しましたが、そのベースには、五木寛之氏の随筆によると、当時、日本の多くの国民には「いやしい中国」「憎むべきアメリカ」という感情があり、大手新聞がこれをあおる記事を大量に流すことで利益を上げ、国民はメディアが大きく取り上げれば、自分たちの主張は正しいと有頂天になり、結果、国家権力はナショナリズムの下支えのもと、ファシズムに向ったと記されていました。


太平洋戦争の始まりは中国大陸などの日本軍部の暴走とされていますが、国民の世論、感情のエネルギーに後押しされてのことだとわかります。
結局のところ、軍部、メディア、国民が手に手を取った結果の戦争だったということ。
国民一人一人の中には、息子や夫が戦地に向い、帰らぬ人となることを察して、反対の気持を持つ人が当然いたでしょうが、同一思考、同一行動を善しとする国民性。非国民呼ばわりされるのは当然で諦めざるを得なかったのでしょう。


今、日本はかなり危ない方向に向かい出していると感じています。


     残暑お見舞いです
       ここ数日涼しいですが

川村






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