「イタリアと日本」何が見える?
第1講 「イタリア語会話の基礎」を開講した。●印、翌日追記あり。
イタリアとイタリア語についての皆さんの個人的な感想から入る。なんと受講者のほとんどがイタリアに行ったことがないという。驚き。だから聞きにきた?
伺ってみると、映画体験からのイタリアの知識は意外と多い。
イタリアの魅力は人の魅力、人の魅力はそのしぐさ、話し言葉、「声の色」。
そこに観光ではわからない人のぬくもりを感じる。
そこで、その「声の色」を実感するために、CDのカンツォーネから、例えに
ボビー・ソロ を聴いてみる。(「少女」。歌詞は聞き取りなので間違いもありそう。そのためもあり、和訳は少々勝手な解釈)●唄を聞けない読者は残念ですが、とりあえず、ローマ字を読むように読んでください。
Tu sei, come me, 君は、僕のように、
quando ero un bambino, 僕が小さかったころ、
sei bella, 君は美しかった、
e non sai, そして君はそれを知らない
tutto quello che hai, 君が持っていた全てを
canta ragazzina, che il giorno dura 歌え、少女よ、
solo poche ore, 日は少ししか もたない
e quando arriva sera, puoi scoprire, 夕闇迫れば、
solo se ne andato resti tu. 君を置いて去ったのがわかろう
canta ragazzina, e non femarti a piangerlo, 歌え、少女よ、思いて泣き留まるな
pensare, che tanto tutto passanti d’amore, 君だけをおいて何もかも愛の全てが去りゆく
Non, non fare come me, non fare come me, 僕のようにはするな、僕のようにはするな
Ormai non vivo piu’. 僕はもう生きていないのだから
スローテンポなイントロを持つこの唄を肴に、出てきた単語と発音、簡単な主語、述語の関係などを探り、感覚的な入り方でイタリア語の世界へ。この唄の部分は5回くらいは聴いてもらった。
イタリア語は、あまりにも日本語的で済む発音の世界だが、「声の色」が違う。歌うように、リズミカルにも、感じてもらった。: pronto(電話などの、もしもし)の発音例を紹介。
●余談だが、大好きな歌手にオルネラ・ヴァノーニというのがいる。いわゆる現地の美空ひばりのような女性。「声の色」を更に感じるために、この地元歌手の演歌をどこかでお聞かせしたかったが、そんな時間はなかった。ブログのどこかにこの歌手のことを書いた日があったと思う。
●ここまで来ればもう飲見ましょうと、持っていったワインのボトル2本を開ける。チーズやレーズンのおつまみもあったせいか、終わるころには空になっていた。女性が多いのに(差別か)。その分、初回から打ち解けた雰囲気となり、前向きに(?)1回限りの速習講座に向き合っていただけたようだ。次々と違った銘柄のワインにトライして、試飲会も兼ねたら? ただ、こちらも採算度外視になりそう。
以下は配った、講義のきっかけをつかむためのサブテーマを記したレジュメから。
アクセントは4段階:1段階目(一番後ろから。子音にアクセント)citta’ bambu’2段階目animale, odorare (マーレ、ラーレにアクセント) 3段階目terribile chiedere(リービレ、 エーデレ)4段階目rinunziano, scegliere (ヌンツィアノ、シェリエレ)
彼らがうまく読めないものもある。Hは無発音、「ち」はci、chiの発音は「き」だ。Hitachi, Honda, Humio, Baker, JKWXYは無く、外来語などでだけ使われる。
cappa, chimico, cieco, come, imo, magro, musco, nave, otto, tanto, vento, これらは発音によっては日本語かと思うが、cappa,tanto以外は無関係。(最初から:合羽/外套、化学者/化学の、盲目、いかに/のように、低い/深い、痩せている、苔、船、8、たくさん、風)
男性名詞、女性名詞のそれぞれに単数、複数。例外もある
私、君、あなた…、Io, tu, egli (ella, lei), noi, voi, essi(esse, loro) の人称
have動詞、be動詞に当たるもの: avere, essere と活用について。Io(私)を使わないで済むbe動詞のsono, Tu(お前、君)sei、have動詞のそれに当たる、ho, hai までは覚えて下さいとお願い。ボビー・ソロの歌に戻る。Tu sei bella(You are beautiful)がそれ。
Che, ce, ci, cio, chi, cioe’, si, so, sa, se, su, vi,gli, li, などの、最初は得体の知れない単語がある。
なにせ「超速習イタリア語」と称し、一晩だけで終わる(笑)入門テキストをつくる気持ちだから、何が要点か大問題。感覚的に好きになって貰うこと、会話に必要な最低限の単語と発言法。よく使う言い回し。最低限の文法だけになった。
この後は、ボンジョルノ(こんにちわ)に見るような、日常会話を10例位紹介。●もう、イタリアに行けますよ、と皆で大笑い。
…などの話をさせて頂いた。(今回、ちょっと利用させて頂いたテキストは、ナポリ東洋大の坂本鉄男先生のではなく、早稲田の教授だった菅田茂昭先生の「現代イタリア語入門」大学書林の方。初歩イメージ会話イントロとしてはこちらの方がよさそうだ。坂本先生は実家の小田原でお隣さんの関係だった。●在位中は何度か、ローマのお宅にお邪魔した。)