X@エコはデザインにとって当然の対象

【情報・論】




エコはデザインにとって当然の対象



初冬の日、改めて太陽を仰ぐ。
その真冬でも人に暖かさを感じさせるこの太陽を仰ぐ。
そこにはまばゆいばかりにぎらつくが、いつかは燃え尽きるのではないかと思われる光と熱の塊がある。
普段、あまりのも当たり前として見向きもしない太陽。これが永遠不滅であるはずがない。
太陽が冷却すれば、もう明日から地球の破滅が始まる。
どのくらいの長さか、銀河系が生れてより、地球は太陽の恵みで生きてきた。

こんな当たり前のことを敢えて書いたのは、これがデザイン問題の根本に関わるからだ。
デザインに必要とされるエコロジー問題、地球環境問題は、太陽の恵みを当たり前のように享受している、近代以降の人間にとって当然の問題意識であるべきであって、今さら改めて問うのはその危機が実感され出したからに他ならない。


そこから考えて言うのだが、これから取り上げるデザイン問題の検討とは、エコをデザインする、エコ環境を科学の視点からデザインする、という問題解決のために行うものではない。
確かに、そうは言え、エコ・デザインは独歩を進め、今では多くの大学デザイン教育にあっても、有力なデザイン解決の考え方になってきているのは明らかだ。それを否定するのではないし、むしろ社会的なつながりを深め、人間にとって必要な解決手段として受け入れてゆくのは当然の流れだろう。


ただしここで改めて取る立場とは、現代においてはエコ問題のデザインへの活用は当然のことゆえ、ここではそのために理論を展開する気はないということだ。それはむしろツール(設計プロセスに必要な考え方や手段)であって、デザインの攻守全体の問題の一つだということだ。(1−1)