2013-01-01から1年間の記事一覧

丹下健三が変えようとした東京

【新トーク:空間】(写真:東京計画―1960) 丹下健三が変えようとした東京とは 1961年正月に、この時48才で東大助教授だった丹下健三は「東京計画―1960」なるものを発表した。 建築家の間ではよく知られているが、東京湾をまたいで千葉の木更…

イタリア車に見る美学

【新トーク:モノ】(写真:ランボルギーニの各車) ●印:2013/8/17追記あり イタリア車に見る美学 車気違いはたくさんいる。 しばらく前に裏日本の高速道で、何台ものフェラーリやランボルギーニ、マセラーティが互いに追突して話題になったことが…

官僚が描くヌード

【新トーク:アート】(写真:百武兼行「臥裸婦」) 官僚が描くヌード 驚くべき絵である。 関連する理由はたくさんあって、箇条書きにでもしないと整理できそうにない。 まず、この絵が描かれたのは明治14年(1881)頃である。描いた場所はローマであ…

わからないセザンヌ(前年4月28日の簡略リライト版)

【新トーク:アート】(写真:セザンヌの絵) どこに評価の真髄があるのか―わからないセザンヌ セザンヌの実作を目の当たりにして、絵の具のキャンバスへの「ノリ」とか筆のタッチを見ていると、実感としてどこが「大家」なのかよくわからないような気にさせ…

建築を見る目の罪深さ

【新トーク:モノ】(写真:カーサ・マラパルテ) 補修:20150128 建築を見る目の罪深さ モノって何か。 からだもモノなのか。都市だってモノから出来上がっていると、どこかで述べたことがある。 カタチはモノの外見のことか。なら都市もモノの外見のことに…

「零戦」と「大和」・迷宮のヴェニス

【新トーク:モノ】(写真:戦艦大和) 「零戦」と「大和」―戦争が生み出したモノの美 最近、宮崎駿監督の新作、「風立ちぬ」がクランク・アップした。 監督が物語の主人公に選んだのが「零戦」(旧日本軍の零式戦闘機)の設計者の堀越二郎とのこと。「紅の…

正義の話をしよう―JIAへの提言

【論】 5月29日に予告しました、(公社)日本建築家協会の機関誌(JIA Magazine)への提言寄稿文が同誌6月号に掲載されましたので、この日(5月29日)のブログに転載しました。 しかしこの原稿が、建築家という専門職者の間だけで流通するような内容…

「ふなびきこうこ」さんのこと

【日記】 補記●本日、遡り、5月29日記事(やることが山積)に、「JIA MAGAGINE」への掲載記事を転載しました。 一人でも多く「デザイン」のわかる国会議員を! 「ふなびきこうこ」さんは「船曳鴻紅」と書くのが本名。今度の参議院選に「デザインが日本の…

陣内秀信氏と対談のご案内

【ご案内】「あゝイタリア。 でもなぜ日本人が?」 少し先になりますが、上記テーマで9月24日(火)夜7時から、法政大学教授陣内秀信氏と対談します。 イタリアを肴に、日本のことを語り合おうという企画です。 イタリアや地中海都市、さらには東京の水…

考える葦

【論】●補記:以下に7月12日の追記あり。●印以下 楡周平氏の週刊誌記事に振り回される 去る5月16日号の週間新潮を偶然、パラパラと見ていたら 「プロの仕事が否定される世界」 という文字が飛び込んできた(連載「考えない葦」第44回)。 え? これっ…

青春の大覚悟

【日記】 青春の大覚悟で、自己の命脈は使い切ってしまったのか、と想いだされる日々 また日経新聞だが、例の「私の履歴書」に今、篠原欣子(よしこ)さんという人が書いている。人材派遣会社テンプスタッフの社長か会長。 日本で今、女性で一番のお金持ち(…

「カタチのありか」

「カタチのありか」で盛り上がる 妙に懐かしいタイトルと言えようか。 日本インダストリアルデザイナー協会(JIDA)の総会後のイベントだった。 ここで、田中一雄君が新理事長に選任されている。 スピーカーは二人いて、和田智君と、澄川伸一君。それをモデ…

日経新聞コラム「春秋」が取り上げるデザイン

【論】 「デザイン」の意味の拡大を取り上げた日経新聞コラム 日経新聞の5月27日の1面にある、「春秋」という小さいコラムを読まれただろうか。 なんと、まったく珍しいことに「デザイン」のことを書いているのだ。 なんとと、また言おう。 六本木のミッ…

やることが山積み

【日記】 やることが山積み…といって、自慢できることじゃないが。 まもなく出るだろう。建築家協会の会員機関誌「JIA MAGAGINE」6月号に2ページに渡って、最近の建築設計市場についての僕の感想を述べた。発行されれば、ここにも転載する。(後記:7月1…

そろそろ整理しなければ

【日記】 決断出来ないのが、オレの性格じゃないはずだよ… 愚痴を言う気はないが、やっぱり愚痴か。いや建設的意見のはずだ… このところ、あらゆることが錯綜していて、何ともまとまりがつかない。個人と対外組織の運営との距離の大きさに、改めて自己能力の…

シェアハウス・シェアオフイスを楽しむ

セミナーのご案内 今回の恒例のMASセミナーは5月18日(土)午後1:30より行われます。 テーマは「シェアハウス・シェアオフイスを楽しむ」 「シェア(分かち合い、共有)が美しい街をつくる?」前回に続き、日本建築家協会港地域会の建築家数名がパ…

モーツアルトの最後を想って

【日記】 残し切れなかった天賦の才 突然、モツレクのことを書く。 モツレクとはモーツアルトのレクイエムのことで、親しみを持ってこの曲になじみ、モーツアルトを愛している同人たちが使っている略語である。 日々、貧困と病魔に追い打ちされ、天賦の才を…

都市の文化化にこそ未来がある

【論】 保存か開発=活用か 鈴木博之先生のトーク・イベントを聞くことになった。 鈴木先生は、東大教授時代に博士号取得を思いついて、一時お世話になった縁もあって、参加しないわけにはいかなかった。 テーマは、専門の保存と再活用の体験からのまちづく…

山梨知彦さんに逢ったこと

【日記】 日建設計の雄:山梨知彦さんとしばし雑談する機会があった。 建築設計者ならほとんど知っていると思うが、最近話題の国内の大きい建築に以下のものがあり、その全部が日建設計であり、主担当が山梨さんだった。木材会館―内外装に木材を大量に使用。…

河井寛次郎がわからぬ

【論】 何で「土管」や「宇宙人の顔」のような造形になったのか 河井寛次郎の陶器を紹介する番組があった(昨日4月21日NHKEテレ午後8時「日曜美術館」再放送)。陶器は嫌いではない。でも変なものがあるのも陶器だ。それを熱心に「生産」した一人が…

近況雑記

「日記」ここに記せないような雑多な仕事に追われる。 原稿を書いて送ったので、しばしの「書くこと」への余裕が出来た。本当に、文章書きではないな、と思う。 書いたことは建築家の機関誌向けだから、専門的だ。たぶん、ここに転載するのは難しいだろう。…

辻野晃一郎コラムの引用

【日記】 なかなかいいと思ったので、失礼ながら人の記事を無断拝借、引用。 辻野さんは元ソニー社員で面識がある。それをいいことにという訳ではないが。後で断っておこう。「グーグルで必要なことはみんなソニーが教えてくれた」などの著書がある。 - ■ 辻…

小田原市民ホールの件

【?】 8日以降、追記あり●印以下。 建築設計プロポーザル。その可能性と限界 3月24日の本ブログで、「小田原市藝術文化創造センター・プロポーザル競技」(旧名「市民ホール」)の中間報告を書いたが、付けたしたいことがあるとした。 ところで「プロポ…

岸恵子の「わりなき恋」

【日記】 補修:20150128 何か気になるところがある 岸恵子の「わりなき恋」が出版された。 彼女はもう80才くらいになるようだ。 関心を持ったのは、そのエネルギッシュさとともに、彼女の言う「心が日本にばかり向いている、在欧の大手日本企業の部長クラ…

復興計画の難しさ/小田原のプロポーザルのこと

【日記】 相当の厚かましさがなければ出来ることではない、ということにならないか。 震災復興に寄せて、伊東豊雄さん達がやっていた活動の成果を展示する場が昨日まであった。 今回の彼のブリッカー賞受賞はこのことに関わってだって? 「もっと現場で苦労…

デジタル化や統制化が進む社会の到来

【論】 どんどん面倒くさい社会になってしまったことからの脱出 Our society has become complicated more and more. And so, we need new relationship with others and economical workstyle in a district area. デジタル化社会が進めば進むほど、風のそ…

スティーブ・ジョブズはデザイナーにとって何だったのか

【論】 改めて問われる、創造的経営者が示すデザイン能力と理解をどうみるかStive Jobs: what is the treasure he showed to designers. 発明協会の部門審査委員長の集まりでの話題に、スティーブ・ジョブズのことがあった。 「アメリカの発明協会●は198…

ショパンの秘密に迫る

【日記】 「ピアノの詩人:ショパンのミステリー」―心から消え去らない調べ Chopin, and my memory: なぜか知らないが、ショパンのメロディーのことを書いておきたくなった。 金曜の真夜中に、上記タイトルのNHKプレミアム・アーカイブスを、偶然見た。ど…

地域への目とデザインへの想い

【論】 デザイン概念の拡大の中でIn the spread of conception of design: how does it works the regional community design ? 新聞記事にめずらしくデザイナーが出た。 「四万十(高知県)だけでなく全国で価値観が東京の方を向いています。『国にハコモノ…

ネットビジネスの世界

【論】 How does it come to, when every intellectual business can be done through internet intelligence? ネット情報でほとんどの知的商売がなされるようになったらどうなるのだろうか。 最近は「まずネットで検索」が当たり前になっている。 そうなる…