2007-01-01から1年間の記事一覧

「太陽がいっぱい」と「遠い国から来た男」を一緒に見る。

「太陽がいっぱい」と「遠い国から来た男」を一緒に見る。 (Seeing old movie [Plein Soleiu]of Alain Delon, and new [Man from the far destant country] directed by Taichi Yamada, together) ――(7月30日追記)――このブログには映画、ビデオの話が少…

背広で踊る「白鳥の湖」                                 

―オーストラリア・バレエ団来日公演から― ([Swan Lake] danced with business suit―from the public performance of Australian Ballet) バレエというのはどうも好きになれない。遠慮勝ちに、はっきり言うが、その理由は、ある種の形式主義のせいだと思って…

*「リメンバー・ミー」Ricordate di Me

*あるイタリア映画の話 知っている人は少ないと思うが、家内がビデオ・レンタルから「リメンバー・ミー」という聞きなれないビデオを借りてきた。 リメンバー・ミー(原題Ricordate di Me:リコルダーテ・ディ・メ=イタリア映画。英文通りの「私を思い出し…

ル・コルビジュエについて

(About Le Corbusier) (7月11日2ヶ所、各2行追加) これはとても独断の話である。 というのも、大方の建築家がそれなりの影響をうけたであろうコルビジュエについては、死ぬほど書かれて来ているだろうし、それらを検証するのもデータ分析をするのも、い…

*日本のこれからと個人

*日本のこれからと個人(Japan from today and my situation) フランク・ロイド・ライトが日本で建てることが出来た数少ない建築に「自由学園」がある。 写真では知っていたが、見ていなかった。もっとも、池袋の駅近くなんて思っても見なかったからだ。 過…

*@デザイン学会にて

*教職母校というべきか、奉職していた静岡文化芸術大学でデザイン分野の学会があった。 参加したので、主要な話題を取り上げる。 ―日本デザイン学会春季大会報告(2007/6/22・23・24)― 三日間にわたり静岡文化芸術大(浜松)で行われた大会の二…

アルバロ・シザの建築とマルレーネ・デュマスの絵

アルバロ・シザの建築 アルバロ・シザはポルトガルの建築家。名前は聞いた事があるように思うが、仕事を見たのは初めて。TOTOが運営する赤坂の「間ギャラリー」で。 非常に素直な仕事ぶり。パビリオン(リスボン万博ポルトガル館)や給水塔のようなものでは…

*@デザインの国際会議にある問題

*国際デザイン・リエゾン・センターInternational Design Liaison Centerのシンポジウムに参加して ―デザインの核は複雑な認識構造の綜合である― 国際デザイン・リエゾン・センターは、JIDPO(財団法人日本産業デザイン振興会)が話題のミッド・タウン…

*今日は雑録3題

*今日は気楽に、雑記録とさせてもらう。 1…小田原の「なぎ邸」を改築するとして、僕の考える住宅は、自分で分離出来ない二つの流れの野合になりそう。 1Fは現状の和室しつらえを一度解体し、同材、同建具を生かして同じ間取りの和室を最低2部屋と玄関を…

*「瞬間物」はデザインか―ミラノ・サローネの現実

*「瞬間物」はデザインか―ミラノ・サローネの現実 これからのデザインを探って-- ミラノ・サローネがこんなに一般化するとは思っていなかった。 それはそれでよいことだが、こんなに日本の若者を引きつけるとは、やはりデザインとなるとイタリア人は商売が…

*ナイーヴな学生との対話

*ナイーヴな学生との対話 小杉由布子さんは実践女子大でデザインを学ぶ学生。JJ(JIDA JUNIOR:前出・5/11参照)のメンバーである。 しばらく前に、こんなみずみずしいメールがあって、少し話をした。 《《《 先日は遅くまでありがとうございま…

*@現代のイメージ構築について

*近代の超克と、現代のイメージ構築のありかた―求められる各職能別エミネンスの経済評価― 鉄骨とガラスの箱の建築家ミース・ファン・デル・ローエの評価が高い。 僕自身、自著で真っ先に取り上げたくらいだ。 販売中の新築マンションの接客サロンに、ミース…

チェッコ・ボナノッテ CECCO BONANOTTE

―軽さの深い意味― 一部の文化人には十分知られた彫刻家であろうが、この2月中旬まで箱根の彫刻の森美術館で展覧されていた彫刻家チェッコ・ボナノッテの作品を、今日、イタリア文化会館で見ることが出来た(丁度、「プッチーニ・マラソン」というイベント第…

*@後藤新平の周辺

*後藤新平の周辺 去る日曜夜のNHK3CHのETV特集で、東京を造った後藤新平(1857〜1929)のことを放映していた。 後藤新平と聞いただけで、何の人か、いつ頃の人か、何を言い出そうとするのか、と思う人も多いだろう。 毎度のことながら、パリ計画のオ…

モジリアーニ                                   

―西武セゾン文化村で開催中の、モジリアーニと妻ジャンヌの展覧会を,「敢えて見て」― モジリアーニの絵を見ると、いつもいたたまれなくなる。 なぜかは自分では判っている。 だから、どうも見たくない。 青春の一時、自分の人生が一望できる一瞬がある。 こ…

*デザイン学生に語る

*デザイン学生に語るJIDA(日本インダストリアルデザイナー協会)での話 昨晩、JIDAジュニアーという学生中心の若い人たちのサークル活動に呼ばれ、あること、ないこと(言葉の綾で言っているが、ないことを言っているわけではない。念のため)思いつい…

*「イヴの総て」

*「イヴの総て」 どういう風の吹き回しか、また映画の話だ。 見たものが、いけなかった。 でも、ゴールデン・ウィーク中なら、それも有りか。「イヴの総て」はあまりにも知られた題名で、古いが、見ていなくても、いい映画だったことは知っていた。というこ…

*ホリデイ The Holiday 

*ホリデイ The Holiday この映画には、キャメロン・ディアスとケイト・ウインスレットが出る、面白い組み合わせ。 キャメロンは日本でも最近の携帯電話機のCMでおなじみ。大きな口と大きな表情、それに抜群のスタイルで歩き回る。なるほどカリ…

*@「JIA港地域会」という建築家集団

*「JIA港地域会」という建築家集団 建築家って、一般にはかっこよい職業のように思われているのかも知れない。それでいて、どこにいるのかも分からず、比較的高学歴で何やら小難しい理屈を捏ね回す人という印象もあるだろう。要するに判りにくく取っ付きに…

美的感性的表現要素としての肉体の位置               

「イタリアーな日本人」という本がある。 ひょんなきっかけで見つけたのだが、装丁がちょっと、見た目に貧弱に見え、買うのはやめようかとも思ったのだが、結局買った。著者はマリーノ・マリン。リビア生まれというから、どこかの国との混血かも知れない。原…

今頃発見「ジュリアーノ・ヴァンジ」

*今頃発見「ジュリアーノ・ヴァンジ」 この日曜日にジュリアーノ・ヴァンジの作品展をイタリア文化会館で見て、感銘を受けた。 不勉強で、ヴァンジの名前も仕事も知らなかった。 彼の仕事は明らかにイタリア彫刻界の歴史を未来に繋げて行くものだ。 マリノ…

前々日に出した、JIDA理事長対談の後編。

「発信:デザイン・ジャパン・モード―日本発の美学が世界を変える―」を総括する 「新日本様式」について 山内 「新日本様式」協議会という活動が立ちあがって、JIDAも団体会員として参加し、大倉さんには「プロモーション委員会」の委員として担当をお願いし…

私がJIDA(社団法人日本インダストリアルデザイナー協会)の理事長時代に出したスローガン「デザイン・ジャパン・モード」(2004)をめぐって、この3月まで理事長だった山内勉氏と話し合った。

以下は、当協会の機関誌「ホットライン」最新号(VOL77)に掲載された記事の抜粋で、一部書き換えもある。少し専門的で難しいので、飛び飛びとなるかもしれないが、2日にわたって掲載します。 対談テーマ 「発信:デザイン・ジャパン・モード ―日本発の美学…

建築設計の本懐

過日のNHK「プロフェッショナル」で偶然、隈研吾氏の話を聞いた。 今、熊本あたりで竹構造のレストランを造っているとのことだった。 提案出来る仕事があれば、どんどん面白くなる(もちろん見せる才能は必要)。 これが建築界のメディア事情だ。 顧客に…

@日本人の美意識の変化あれこれを

*―現世の権益とロード・マップにしがみついて― 日本人の美意識の変化あれこれを昼飯を食いながら 一昨日、さる大きな協会の審査会会合の昼食時での雑談から。日本人が承知している美意識に、なんでもかんでも寄せ集めて並べたてるのでなく、選り選ったもの…

東京デザインセンターの花見会とマリオ・ベリーニ

*東京デザインセンターの花見会 そしてマリオ・ベリーニ 3月29日にワッと桜が満開となった。確か翌日の金から土曜日31日が花寒でブレーキがかかり、4月1日の日曜はよいお花見日よりだった。 2日の夜は、東京デザインセンター(TDC:五反田駅前)の花見…

@「美しくする」と言うだけでは何も起らない日本の問題

*「美しくする」と言うだけでは何も起らない日本の問題 (産業政策と個人) いきなり話が大きいが、聞いて貰えれば有難い。 職務や、これまでの役職上、このような議論が行なわれるのだ。国として見れば、対外的な領土、利権争いによる戦争がなく、国民が不…

「六本木ミッドタウン」

「六本木ミッド・タウン」 昨日、明日からグランド・オープンする「六本木ミッド・タウン」を見学した。 「デザイン・ハブ」でのセミナーを聞き、「21−21デザイン・サイト」へ廻ってきた。まず、全体の印象。 「六本木ヒルズ」が若者向けを謳っていたに対して…

日本の誇り?杉本彩

*日本の誇り?杉本彩 昨日の話だけれど、夕食後、偶然チャンネルを廻していたら、どこかで見たことがあるような人たちがアルゼンチンの空港で待機させられているという映像が入ってきた。 さて、有名人たちが麻薬でも持っていて、出国を止められているのか…

更にブルーノ・タウトを知る

*更にブルーノ・タウトを知る。 現在、ワタリウム美術館(東京渋谷区神宮前3−7−6)で開催中の「ブルーノ・タウト展」は楽しい。変な言い方かもしれないが、よく出来た展覧会だ。 カタログ出版は4月半ばとか聞いたが、全生涯に渡って旅人であったような…